社会

人権

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方針

方針(基本的な考え方)

「バイオから宇宙まで、化学の力で新しい価値を創造する企業グループとして、人と社会に貢献します」という経営理念のもと、「CSR基本方針」「日油グループ企業倫理規範」で、「人権の尊重」を明文化し、人権尊重の取り組みを推進しています。日油グループは、グローバルに事業を展開するにあたりILO(国際労働機関)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」「OECD多国籍企業行動指針」、国連の「国際人権章典」「ビジネスと人権に関する指導原則」「グローバル・コンパクトの10原則」および日本政府の「『ビジネスと人権』に関する行動計画」などの国際規範を支持、尊重し、企業活動全体において、「児童労働・強制労働・人身取引の禁止」「結社の自由・団体交渉権の行使」を含む、人権を尊重する責任を果たすため、2021年度に、日油グループのすべての役員および従業員に適用される「日油グループ人権方針」を制定しました。ここでは、先に示した国際規範のみならず、事業活動を行う各国・地域の文化、慣習、歴史や労働関連法令も尊重し、人種や国籍を理由とした嫌がらせ(レイシャルハラスメント)の対応も含みます。

また、事業活動において想定される人権リスクに対する取り組みを検討・実施しています。具体的な活動の一例として、日油グループ従業員向けエンゲージメントサーベイの実施による社内の人権遵守状況の確認や、特定された課題に対する是正措置の実施、サプライチェーン全般にわたり、国際的に認められた人権の尊重状況に関する調査として、お取引先のサプライヤーの皆さまへのCSRアンケート調査の実施などが挙げられます。

また2023年4月に改定された「新経営理念体系」の価値観の浸透に関し、2025年4月に、従来の「倫理行動規範」を「日油グループ企業倫理規範」と改定し、冊子配布により国内外グループ会社に周知しました。さらに2026年4月に教育用動画をグループ全体に展開することで、より深い理解を従業員に求めています。

今後も、従業員教育の充実やステークホルダーとの対話を進めるなど、人権デュー・ディリジェンスの取り組みをより深化させ、人権リスクの低減に取り組んでいきます。

人権方針

日油グループ人権方針

人権に関する基本的な考え方
日油グループは、バイオから宇宙まで幅広い分野で新しい価値を創造する企業グループとして、人と社会に貢献するという経営理念のもと、「CSR基本方針」「企業倫理規範」で、「人権の尊重」を明文化し、人権尊重の取組みを推進しています。日油グループは、グローバルに事業を展開するにあたり「国際人権章典」、「国連グローバル・コンパクトの10原則」、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」、国際労働機関「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言」、「OECD多国籍企業行動指針」などの人権に関する国際規範を支持、尊重し、企業活動全体において、人権を尊重する責任を果たします。
 

1. 理念と目的
日油グループは、人権はすべての人びとの幸福と豊かな生活を追求するうえで不可欠であることを深く認識し、人権に関する国際規範および経営理念体系に基づき、企業活動を行う国または地域における法と規制の遵守に留まらず、人権尊重の施策を通じて人権を尊重する責任を果たします。国際的に認められた人権と各国・地域の法令に矛盾がある場合には、国際的に認められた人権の原則を最大限に尊重するための方法を追求します。
 

2. 適用範囲
本方針は、日油グループのすべての役員および従業員に適用されます。また、日油グループは、ビジネスパートナーおよびサプライヤーに対して、本方針を支持し、同様の取り組みへの参画を期待して継続的に働きかけ、協働して人権尊重の取り組みを推進します。
 

3. 人権尊重の責任
日油グループは、自らの事業活動において影響を受ける人びとの人権を侵害しないこと、また自らの事業活動において人権への負の影響が生じた場合は是正に向けて適切に対処することにより、人権尊重の責任を果たします。ビジネスパートナーやサプライヤー、製品供給において人権への負の影響が引き起こされている場合には、適切な対応をとるよう求めます。 具体的には、以下の内容を含みます。

  • 差別の撤廃、ハラスメントの禁止
  • プライバシーの尊重
  • 適正な労働時間
  • 公正で公平な報酬
  • 結社の自由と団体交渉権
  • 人身売買、強制労働・児童労働の禁止
  • 労働安全衛生と健康
  • 地域社会・住民への影響
     

4. 人権デュー・ディリジェンス
日油グループは、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、予防的に調査・把握を行い、適切な手段を通じて是正し、人権への負の影響を防止または軽減することに継続的に取り組みます。 具体的には、以下の内容を含みます。

  • 負の影響が生じていないか継続的なモニタリング
  • サプライチェーン上の負の影響の特定
  • 負の影響・リスク防止・軽減の取り組み
  • 社内外通報システムの実効性発揮
  • ステークホルダーとの対話の促進
     

5. 是正・救済
日油グループは、人権に対する負の影響を引き起こした、または負の影響を助長したことが明らかになった場合、適切な手続きを通じてその是正に取り組みます。日油グループは、人権、企業倫理に反する・反すると思われる行為の早期発見を目的に、内部通報窓口(コンプライアンス・ホットライン)を設置しています。通報者探索、不利益取扱い、報復の禁止など通報者の保護を徹底のうえで、ビジネスパートナーやサプライヤー等社外からの利用も可能な制度としています。
 

6. 対話・協議
日油グループは、人権に対する負の影響が生じている場合、またはそのリスクがある場合には、関連するステークホルダーとの対話と協議を行います。
 

7. 教育
日油グループは、本方針に関する正しい理解が社内外に浸透し効果的に実行されるよう、適切な教育を継続的に行います。
 

8. 推進体制
本方針の責任者にコンプライアンス委員長を置き、本方針に則った人権尊重の取り組みを推進します。 取り組みを推進するうえで必要な対応等についてはコンプライアンス委員会で審議し、取締役会に報告するとともに、その内容を社内に周知します。
 

9. 情報開示
日油グループは、人権尊重に関する取り組み状況についてウェブサイトなどで開示します。

 

本方針は、人権に関する知識、実務経験を有する外部専門家の助言を得ながら策定し、取締役会の承認を受けています。
  

制定 2021年11月1日
改定 2025年7月30日
日油株式会社 代表取締役社長 沢村 孝司

リスクと機会

人権デュー・ディリジェンス強化は、調査・対応、サプライヤー監査などによりコストの増加や現場負担、取引先との対立や調達遅延が生じる可能性があります。一方で、児童労働や強制労働、ハラスメントなどの重大リスクを早期に発見・是正でき、法的制裁・訴訟・評判失墜を防ぎ、ブランド信頼や投資家評価、サプライチェーンの長期安定化と新たな市場機会の獲得につながり、短期的負担を負うことで持続的な価値保全を期待することが可能となります。
ハラスメント対応強化は、監督・研修・通報体制整備でコストの増加やコミュニケーションの抑制、採用負担の増加を招く一方、職場の安心感向上で離職率の減少・生産性向上・評判維持につながり、長期的な人材定着と企業価値向上を実現します。

人権におけるリスクと機会
 

重要リスク 概要 機会 対策
取り組み 2025年度(実績) 2026年度(計画)
ハラスメント








  • ハラスメントに関する訴訟提起による社会的信用の失墜、企業価値の毀損
  • 経営理念・価値観、日油グループ企業倫理規範の浸透によるハラスメントの解消

 

  • 従業員のエンゲージメント、社会的な企業価値認知の向上

共通

倫理行動規範の改定

改訂版「日油グループ企業倫理規範(各国語版)」の策定、従業員教育用動画の作成

国内外グループでの周知徹底、 海外版動画の作成

動画教材によるコンプライアンス教育の展開

新規動画教材の選定、グループ各社への展開

新規教育動画の掲載、閲覧機会の推奨施策

経営理念・価値観とコンプライアンス教育の展開

関係会社訪問による施策のグループ展開とコミュニケーション向上

階層別教育の継続実施

人権侵害
  • サプライチェーン上、社内外での人権問題の顕在化によるレピュテーション低下、取引停止などの経済的損失
  • ビジネスパートナーとの
    連携強化、社会的信用度の
    向上

 

  • 従業員のエンゲージメント
    向上

社内報を活用した
継続的啓発活動

法令改正や社会情勢に対応した記事の掲載

社内実態、社会情勢に対応したテーマ選定

ハラス
メント

通報対応の手引きの作成

手引きを活用した管理者対象説明会の実施

グループ会社への展開、ライン管理者を対象した説明会の実施

人権

人権デュー・ディリジェンスの実施

グループ実態に対応した人権リスク評価の実施

人権リスク評価をもとにした人権リスク対応施策の立案と展開

人権教育の実施

経営層に対する人権教育の実施

階層別教育の立案と実施

エンゲージメントサーベイの継続実施

エンゲージメントサーベイ結果をもとにした人権施策の展開

改善施策に対する
評価の把握

人権デュー・ディリジェンス

日油グループは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」で示されている手順に従い、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築しています。予防的に外部専門家の意見も参考にして調査・把握を行い、適切な手段を通じて是正し、人権への負の影響を防止または軽減することに継続的に取り組みます。まず、日油グループで重要視すべき人権リスクを特定するために、2025年度に初めて人権リスクアセスメントをグループ全体で実施しました。

人権デュー・ディリジェンスの図です。人権侵害の特定(Plan)から防止・軽減(Do)、取り組みの実証・評価(Check)、取り組みの情報開示(Action)までPDCAサイクルで行っています。人権方針をもとに人権デュー・ディリジェンスを構築し、外部専門家からの意見の取り入れやステークホルダーと対話しながら対策を進め、救済に努めます。

人権リスクアセスメントの実施

以下の手順で人権リスク評価を行いました。
 

1.人権課題の整理(人権課題一覧表作成)
日油グループの業務形態や各種ガイドラインを参考に、人権課題一覧表作成
 

2.バリューチェーンの整理(バリューチェーンフロー作成)
日油グループの事業部門ごとのバリューチェーンを整理しリスク評価範囲を決定
 

3.人権リスクの洗い出し(ワーストシナリオ設定)
人権課題一覧表とバリューチェーンフローをもとに、人権リスクを洗い出し、ワーストシナリオを設定
 

4.人権リスクの評価
日油部門長、同箇所長、関係会社社長に対し、人権リスク評価のアンケートを実施。深刻度(規模、範囲、救済困難度)、発生可能性を評価
 

5.人権リスクの集計
アンケート結果を集約し、グループ全体の評価を決定
 

6.人権リスクマップの作成
評価内容から、各リスクを深刻度と発生可能性でマッピング
 

7.重点リスクの決定
人権リスクマップと日油グループの業態を参考にして、重点的にウォッチングすべき人権リスクを特定
 

8.取締役会への報告
重点的にモニタリングする人権リスクおよびリスクマップは取締役会に報告し、承認を受ける

人権リスクアセスメントの流れを示した図です。6つのフェーズに分かれています。準備段階として、1.人権課題の整理、2.バリューチェーンの整理、3.人権リスクの洗い出しとアンケート作成をおこないます。その後、アンケートで4.人権リスクの評価をおこない、さいごにまとめ段階として5.人権リスクの集計・確定と6.人権リスクマップの作成をおこなう流れです。

人権リスクアセスメントの流れ

人権課題一覧表の作成

「国際人権章典」、「国連グローバル・コンパクトの10原則」、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」、国際労働機関「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」、「OECD多国籍企業行動指針」などの人権に関する国際規範、人権の専門家、人権擁護者、学者、政府、NGO、そのほかの専門家の資料などを参照し、日油グループの事業に関連する潜在的な人権課題一覧表を作成しました。 人権課題の対象は大きく次の4つに大別されます。
 

  • A:自社・サプライチェーンの労働に関わるリスク
  • B:製品やサービスに関わる消費者・顧客に対してのリスク
  • C:事業による地域社会に対してのリスク
  • D:A~Cそれぞれのリスクに対する救済窓口

 

これら4つの対象に対して考えられる人権リスクを挙げ、グループの業態を参照にワーストシナリオを設定し、評価を進めました。 

人権課題一覧表
 

A 労働に関わる人権リスク
バリューチェーン上における労働者に関わる人権リスク
  • 健康と安全(安全衛生/健康/化学物質/震災・パンデミック/テロ・誘拐)
  • 労働条件(賃金/福利厚生/懲戒慣行)
  • 差別(性/ジェンダー/人種/ハラスメント)
  • 児童労働(若年労働を含む)
  • 強制労働(人身売買を含む)
  • 外国人労働者(技能実習生を含む)
  • 結社の自由と団体交渉権
  • 従業員などの個人情報漏洩やプライバシーの侵害
  • 輸送と保管の安全性
B 自社の商品・サービスに関わる人権リスク
消費者、商品・サービスの利用者に関わる人権リスク

  • 製品の安全性(製品の誤用を含む)
  • 適切な表示・説明
  • 差別的な広告・製品
  • お客さまの個人情報漏洩やプライバシーの侵害
C その他事業活動によって生じる人権リスク
地域社会・コミュニティに関わる人権リスク
  • 操業に係る地域住民の健康と安全(事故/有害物質/火災/爆発/産業廃棄物)
  • 天然資源の利用(水資源を含む)
  • 土地の権利・収容
  • 先住民族の文化
  • 紛争への加担
  • 賄賂と腐敗
  • 人権の認識が低い国・地域との関係
  • 責任ある調達(紛争鉱物/パーム油など)
  • 反社会的勢力との関係
  • 言論・表現の自由
  • 環境・気候変動への影響
D 共通の課題
  • 救済窓口へのアクセス

 

評価対象:日油グループ各社およびサプライチェーンの上流・下流

バリューチェーンフロー図の作成

日油グループは、機能材料・防錆・機能食品・ライフサイエンス・化薬の5つの異なる事業で構成されています。今回の人権リスクアセスメントにあたっては、日油グループ5事業の原材料調達、製造、サプライチェーンから廃棄に至るまでに関与するステークホルダーを明確にすることで、網羅的に人権リスクの吸い上げを行っています。

機能食品事業を例にとったバリューチェーンフロー図です。栽培・畜産からリサイクル・廃棄までを9フェーズに分けて、各段階で関与するステークホルダーが示されています。左から順に栽培・畜産フェーズでは、農業従事者や地域住民など。加工フェーズでは、原料加工業者や自社従業員など。研究・開発フェーズでは、日油や共同開発提携先など。調達フェーズでは、日油や関係会社、仕入れ先など。製造フェーズでは、日油や協力会社など。保管・輸送フェーズでは、日油や物流会社、手配業者など。販売フェーズでは、日油や販売代理店、法人顧客など。製品使用フェーズでは、加工・製造業者と法人・一般顧客。リサイクル・廃棄フェーズでは、日油、リサイクル・廃棄業者、一般顧客がステークホルダーとなります。

バリューチェーンフロー図(例:機能食品事業)

人権リスクマップの作成

深刻度を縦軸、発生可能性を横軸にして、自社およびサプライチェーンについて、それぞれの人権課題をマッピングしました。特定された高リスクな人権課題については、まずリスクに関してモニタリングを実施します。モニタリングした結果、リスク低減の必要がある場合、具体的な対応策を検討し、実行することとしています。

人権リスクマップの図です。横軸には発生可能性を低から高まで、縦軸には深刻度を低から高までがそれぞれ5段階で示されています。発生可能性が高く、深刻度が中〜高程度のリスクとしては、労働者・サプライヤー・顧客のプライバシー、輸送保管の安全性、労働者・サプライヤーのハラスメントが挙げられています。深刻度が高く、発生可能性が低〜中程度のリスクとしては、テロ・誘拐、化学物質、安全衛生、震災・感染症、製品安全性・表示、事故・産業廃棄物・有害物質、パーム油の調達リスク、紛争への加担、先住民族文化、環境・気候変動、低人権国との関係が挙げられています。深刻度・発生可能性の両方が極端に高いリスクは特定されていません。その他のリスクとしては、差別や健康、震災・感染症、化学物質などが挙げられています。

リスクマップ

重点モニタリング人権リスク

人権リスクアセスメントの結果と日油グループの業務形態から、以下の人権リスクを重点的にモニタリングしていくリスクとして定義しました。2025年度に実施した人権デュー・ディリジェンスの結果、重大な人権侵害は確認されませんでした。今後はこのリスクに該当する案件を定期的にモニタリングし、対策が必要な事柄については早急に施策を打ち出して対応を進めます。

重要リスクの概要
 

重要リスク ワーストシナリオ 影響を受けるライツホルダー

健康と安全

安全衛生

職場における安全配慮が足りず、日油グループの工場・拠点で大規模な火災・爆発事故が発生し、従業員に被害が及ぶ

● 労働者(自社・グループ会社)

震災・パンデミック

大規模震災やパンデミック(たとえば新型感染症)などの発生時に、適切な安否確認や職場の安全確保などの具体的な対応・対策を実施せず、従業員に被害が及ぶ

テロ・誘拐

地政学的リスク(政治紛争)のある国・地域において、駐在・出張した従業員が理由なく過激な勢力に拘束、連行され、従業員に被害が及ぶ

化学物質

化学物質取り扱い作業において、必要な換気装置の設置や保護具の貸与を行わなかったため、従業員に化学物質起因の疾患がみつかる

安全衛生

サプライヤー・取引先の職場において安全配慮が足りず、日油グループの拠点で大規模な火災・爆発事故が発生し、従業員などに被害が及ぶ

● 労働者(サプライヤー・取引先)

事故の発生

物流拠点・工場における事故(爆発・火災など)により、地域住民の所有物や住居に被害が生じる

● 地域社会

事故の発生・有害物質の
流出

物流拠点・工場における事故(爆発・火災など)または化学物質の大気放出、河川への流出により、地域住民に負傷・健康障害をもたらす

操業に係る地域住民の
健康と安全

化学物質を含んだ産業廃棄物の不法投棄/不適切処理により火災事故や化学物質の漏洩が発生し、地域住民に負傷・健康障害をもたらす

ハラスメント

ハラスメント

社内、サプライヤー・取引先の職場において、各種ハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラなど)が発生し、従業員が精神疾患を患う

● 労働者(自社・グループ会社)

● 労働者(サプライヤー・取引先)

プライバシーの侵害

個人情報漏洩や
プライバシーの侵害

日油グループ、サプライヤー・取引先の職場において、情報セキュリティ管理の不備により、従業員や求職者の個人情報漏洩やプライバシー侵害などが発生する

● 労働者(自社・グループ会社)

● 労働者(サプライヤー・取引先)

● 顧客

輸送と保管の安全性

輸送と保管の安全性

化学物質の輸送中に漏洩が発生し、運転手や回収作業者が、化学物質により身体に不調をきたす。または、荷物の積み下ろし作業中や倉庫内作業において、不十分な安全対策を起因として事故が発生し、従業員が負傷する

● 労働者(自社・グループ会社)

● 労働者(サプライヤー・取引先)

製品の安全性

製品の安全性
(製品の誤用含む)

製品の設計・機能において、安全基準や利用者の多様性(体質、性別など)の考慮が不十分で、設計・機能に欠陥が残ったままの製品が市場に流通し、顧客の健康や安全に被害を与える

● 顧客

適切な表示・説明

適切な表示・説明

製品の提供にあたり、人体へのリスク、適切な取り扱い方法に関する十分な情報提供を行わなかったため、顧客が身体に不調をきたす

責任ある調達

紛争鉱物

紛争鉱物の調達を通じ反政府勢力などの資金源となり、地域住民の安全な生活が脅かされる

● 地域社会

パーム油

取引をしている農園がパーム油栽培拡張のため、自然林を無計画に伐採し、土砂災害などが頻繁に発生、地域住民の安全な生活が脅かされる

日油グループで働く人々の人権の取り組み

職場の労働安全衛生を守る取り組み

日油グループは、各事業所の協力会社の方々も含めて、グループ一体となって労働災害の撲滅を目指しています。日油グループに関係する労働者全員が、安全に安心して働ける職場をつくる決意を明確にし、理想を実現するために、2006年4月に労働安全衛生方針を定めました。主な取り組みは以下のとおりです。
 

1.OSHMS※(労働安全衛生マネジメントシステム)の構築
日油グループでは、労働安全衛生方針を掲げ、OSHMSの構築に取り組んでいます。国際労働機関・厚生労働省などのガイドラインを参考にしてシステムを構築し、活動を推進しています。2008年度から日油グループのすべての事業所でスタートしたリスクアセスメントは、現在では国内グループ会社にも展開しています。
 

2.各種研修・訓練の実施
日油グループでは、フォークリフト操作や危険物・化学物質の取り扱い、職場における転倒・薬傷防止、熱中症予防などのさまざまな研修、および防災訓練やBCP訓練を行っています。
  

労働災害の発生状況は下記PDFをご覧ください。

Occupational Safety and Health Management Systemの略。
事業者が継続的に安全衛生の潜在的リスクの低減を実施するための組織、責任、手順、プロセスおよび経営資源について定めた管理システム。

労働時間管理

日油グループでは、業務の効率化や生産性の向上により労働時間を削減し、仕事以外の生活の充実を図ることを目的に、適正な労務管理の徹底を図るとともに、所定終業時刻以降の就業制限や勤務間インターバル制度の導入など、長時間労働の抑制に向けた取り組みを進めています。

内部通報窓口の設置

日油グループは、コンプライアンスに違反した行為または違反する恐れのある行為が存在することを知った場合の内部通報・相談窓口として、日油グループの事業拠点が存在する諸国において、日本語・英語・中国語(簡体字)・韓国語・インドネシア語・ポルトガル語に対応する窓口を、外部の第三者機関に設置しています。
2025年度は、ハラスメント、職場運営を主として29件の通報を受け付けました。いずれの通報に対しても迅速かつ通報者探索のないよう、慎重に事実関係の調査を行い、必要な是正措置、再発防止策を講じました。たとえば、ハラスメント関連の通報においては、被通報者への指導や懲戒処分などを行いました。

[ステークホルダーとの意見交換]
日油労働組合からの意見

従業員の「健康と安全」(身体的のみならず精神的も含む)は、最も重要度の高い取り組み事項と認識している。成果を意識した経営資源の投入、計画的な施策の展開、評価・モニタリングに基づく継続的な改善をお願いする。
時間外労働を集計すると、働き方の多様化、業務の効率化などにより減少の方向にあることは評価できるが、職場間、個人間の差異も依然としてみられる。人材リソースの適正配分、計画的な人材育成、業務内容の棚卸と生産性向上などに取り組み、さらなる改善につなげてもらいたい。
ハラスメントをはじめとする人権への取り組みに関しては、2025年に改定された「日油グループ企業倫理規範」の浸透に負うところが大きいと考える。幸いなことに、全従業員対象の価値観研修を通じ、日油グループの企業風土が新たなかたちに生まれ変わろうとする変化点にあることを多くの従業員が実感している状況にある。従業員全員がハラスメント、さらにはコンプライアンス・倫理に関する理解を深めることで、問題発生の予防効果が高まることに加え、個人の働きがい、職場の活性化、ひいては業績への好影響にもつながると思われ、今後も積極的な取り組みに期待する。

エンゲージメントサーベイの実施

日油グループは、2022年度から従業員向けに実施しているエンゲージメントサーベイにて、社内のハラスメント発生状況やプライバシーの尊重、女性や外国人に対する処遇・評価、職場の労働安全衛生、通報窓口や不利益取扱いの認識を調査し、2025年度は1,972名から回答を得ました。

調査結果の一部は以下のとおりです。通報窓口の存在を知っていると回答した従業員は全体の95.8%であり、2024年度と比較すると1.5ポイント向上しました。反面、連絡先が分からないと回答した従業員が30.0%と0.9ポイント増加しており、より具体的な従業員への周知活動の必要性が感じられました。

一方、「差別やハラスメントは許さないという意識が職場内に定着していますか。」という質問に対して、「十分に定着している、やや定着している」と回答した従業員は全体の80.7%であり、2024年度と比較すると0.4ポイントの増加にとどまっています。またその中で「十分に定着している」と回答した従業員は30.1%と、2024年度と比較すると5.2ポイントも減少しています。

上記課題に対する対応として、2025年4月に改正した「倫理行動規範」を用いた従業員全体の意識の向上を図るとともに、現場リーダーを「コンプライアンスリーダー」として育成することを2026年度からの全社教育として計画しています。

通報窓口の認識有無に関する調査結果
 

選択肢 職場内の違法・不正行為について通報・相談できる窓口があることを知っていますか。
2024年度 2025年度
窓口があることを知っている 窓口の連絡先も含めて
知っている
94.3% 65.2% 95.8% 65.8%
窓口があることは知っているが、 連絡先が分からない 29.1% 30.0%
知らない
5.7% 4.2%

ハラスメント防止意識定着に関する調査結果
 

選択肢

差別やハラスメントは許さないという意識が職場内に定着していますか。
2024年度 2025年度
定着している 十分に定着している 80.3% 35.3% 80.7% 30.1%
やや定着している 45.0% 50.6%
定着していない あまり定着していない 19.7% 15.8% 19.3% 14.7%
ほとんど定着していない 3.9% 4.6%

エンゲージメントサーベイに寄せられたご意見例
 

ハラスメント意識定着

  • 新卒や若年層向けの研修も充実し、注意喚起が徹底されてきている。(30代、男性)
  • ハラスメントを受けたと訴える側の主張が強くなりすぎていると感じる。(20代、男性)

 

プライバシー尊重意識定着

  • プライバシーに配慮した会話が増え、安心して働けるようになった。(30代、男性)
  • 私生活や家庭事情を勝手に話されることがある。(20代、男性)

 

多様性処遇評価

  • 男女や年齢などに関わらず公平に評価されていると感じる。(50歳以上、男性)
  • 社員・事務嘱託社員・地域限定社員で賃金の差が大きい。(50歳以上、男性)

 

休暇制度利用

  • 属人化した業務が多く、リフレッシュ休暇が取得しにくい。(30代、男性)
  • 繁忙期は休暇申請しづらい雰囲気が残っている。(40代、女性)

 

安全衛生確保

  • 作業環境改善の取り組みに好感が持てる。(40代、女性)

 

通報窓口周知

  • 通報窓口や相談体制の案内が新人全員に行き届いている。(30代、女性)
  • 実際の利用はためらわれるとの声もある。(50歳以上、男性)

 

不利益取扱い禁止

  • 不利益取扱い禁止が制度化され周知も進んでいる。(40代、女性)
  • 意見を言ったことで処遇やキャリアに影響しないか心配。(50歳以上、男性)

取引を通じて関わるステークホルダーの人権の取り組み

CSR調達方針およびCSR調達ガイドラインの策定、
購買取引基本契約書へのCSR条項の盛り込み

日油グループは、安定かつ持続可能な調達のため「CSR調達方針」を定めています。また、日油グループならびにお取引先のサプライヤーの皆さまに取り組んでいただきたいことをまとめた「CSR調達ガイドライン」を作成しています。
さらに、お取引先の皆さまと購買取引基本契約書を新たに締結する際は、日油グループのCSR調達方針とCSR調達ガイドラインの遵守に努める旨の条項を追加することにしました。

CSRアンケート調査の実施

調達部門では、主要取引先のサプライヤーの皆さまに日油グループのCSR調達方針をご説明するとともに、調査の客観性を向上するため、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)が作成したCSR調達セルフ・アセスメント質問表を使用して主要取引先の皆さまのCSR活動状況に関するアンケートを取っています。
直近では2023年度から2024年度にかけて主要取引先の皆さまにアンケートを行い、購入金額ベースのカバー率は92%となりました。
CSRアンケートの人権部分の得点率の分布を下表に示します。得点率が50点未満のサプライヤーは人権リスクがある可能性があると考え、2025年度に面談を実施し人権リスクの有無を確認しましたが、現時点で人権リスクが確認されたサプライヤーはありませんでした。
 

2028中期経営計画の目標として、2025中期経営計画面談サプライヤー24社※1の改善率※2 75%以上をKPIとして設定しました。

アンケートの得点率
 

90点以上 70〜89点 50〜69点 50点未満
人権の得点分布 56% 16% 18% 10%

CSRアンケート調査の結果
 

カテゴリ 設問 平均得点(5点満点)
Ⅰ. CSRに関わるコーポレートガバナンス 内部通報制度の構築 4.39
Ⅱ. 人権 1. 人権の尊重と差別の禁止 4.25
2. 人権侵害の加担(助長)の回避 4.10
3. 先住民の生活および地域社会の尊重 3.75
Ⅲ. 労働 1. 雇用における差別の禁止 4.50
2. 人材育成やキャリアアップ等に関する従業員への平等な機会提供 4.52
3. 非人道的な扱いの禁止 4.64
4. 適正な賃金の支払い 4.78
5. 労働時間、休暇・有給休暇等の公正な適用 4.86
6. 強制労働の禁止 4.70
7. 児童労働の禁止 4.68
8. 操業する国や地域の宗教的な伝統や慣習の尊重 4.17
9. 結社の自由と団体交渉の権利の認識と尊重 4.39
10. 従業員の安全衛生、健康についての適切な管理 4.82
  1. ①総得点率、②人権項目得点率に着目して選定
  2. ①、②の該当項目のいずれかが改善した会社の割合

持続可能なパーム油の調達

パーム油が生産されているアブラヤシ農園では以前より人権・労働問題の存在が指摘されています。日油グループは2012年度から「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」に加盟し、2014年度にサプライチェーン認証を取得、2019年に日本で発足した「持続可能なパーム油ネットワーク(JaSPON)」にも発足メンバーとして参加し、持続可能なパーム油の調達活動に取り組んでいます。

責任ある鉱物調達への対応

人権などに影響を及ぼす可能性のある紛争鉱物(3TG※1)については、責任ある鉱物イニシアチブ(RMI※2)の紛争鉱物調査における統一フォーマット(CMRT※3)を使用して主要取引先の皆さまにアンケート調査を実施し対応しています。さらに2023年度からは対象鉱物がコバルト・天然マイカの統一フォーマット(EMRT※4)を使用して主要取引先の皆さまにアンケート調査を開始しました。
 

  1. コンゴ民主共和国とその周辺国由来のスズ・タンタル・タングステン・金の4鉱物のこと
  2. Responsible Minerals Initiativeの略
  3. Conflict Minerals Reporting Templateの略
  4. Extended Minerals Reporting Templateの略

社外通報窓口の設置

日油グループは、コンプライアンスは会社を支える基本と認識しており、法令や日油グループ企業倫理規範に反するような事象や人権侵害事案を、未然に防止あるいは早期是正することにより深刻化、長期化させないことが重要と考え、お取引先さまをはじめとした社外からの通報窓口を設置しています。

お客さまの人権の尊重

先述の社外通報窓口はお取引先さまだけでなく、日油グループのお客さまからの通報も受け付けています。なお、これまでのところ、本窓口を通じた人権(侵害)に関わる通報は、受領していません。