ガバナンス

コンプライアンス

方針

方針(基本的な考え方)

日油グループは、法令ならびに定款および社内諸規定を遵守し、業務の適正を確保するため、内部統制による管理体制を整えています。社会規範および法令の遵守については、「CSR基本方針」とそれに基づく企業倫理「日油グループ企業倫理規範」として制定し、その徹底を図るため、コンプライアンス委員会を設置しています。コンプライアンスに関わる各種施策立案、運用状況については適宜取締役会に報告され、管理監督されています。

CSR基本方針

私たちは、企業の社会的責任を果たし、持続可能な事業活動を行います。

  1. 私たちは、一人ひとりが高い企業倫理に基づいて行動します。
  2. 私たちは、人権を尊重し、多様な人材の活躍を支援します。
  3. 私たちは、5つの安全を柱にレスポンシブル・ケア活動を推進します。
  4. 私たちは、あらゆるステークホルダーのみなさまの関心に配慮し活動します。
  5. 私たちは、地域社会のみなさまとともに、社会貢献活動を行います。
概要

日油グループでは、企業が、また従業員一人ひとりの行動が常に社会倫理に則り、社会からの信頼を得るために、2002年4月に倫理行動規範を制定(2025年4月に日油グループ企業倫理規範として改定)しました。これに併せて、倫理委員会(2020年4月にコンプライアンス委員会に名称変更)を設置し、社会に対する責任の強化と企業活動の透明性の確保に努めています。2023年4月に、経営理念(ミッション・ビジョン)、価値観(バリュー)、行動規範を核として経営理念体系を見直しました。これを契機に、これまでの倫理行動規範を「日油グループ企業倫理規範」として、日油グループが大切にする3つの価値観である「挑戦」「公正」「調和」を軸とした構成に改定しました。また、従業員からの通報・相談窓口をコンプライアンス委員会事務局、監査等委員会室および外部の第三者機関に設置しています。

企業倫理規範

CCOメッセージ

一人ひとりの行動が信頼を築く未来へ

取締役 兼 常務執行役員(CCO) 斉藤 学

社会に必要とされる企業であり続けるために

皆さまの日頃からのご支援に心から感謝申し上げます。また、当社のサステナビリティサイトをご覧いただき、誠にありがとうございます。

私たちが暮らす社会は、パンデミックをはじめとして、地政学的リスク、気候変動、急速なデジタル化など、かつてないほど複雑な課題に直面しており、企業が果たすべき役割はますます重要性を増しています。透明性、公正性、そして社会的責任を重視した活動を通じて、持続可能な未来の実現に貢献することが企業に求められているのです。

私たち日油グループでは、「日油グループ企業倫理規範」および「コンプライアンス・マニュアル」を基軸に、従業員一人ひとりが日々の業務のあらゆる場面において倫理的な行動を実践するよう取り組んでいます。この取り組みは、皆さまとの信頼関係を築き、いつの時代においても社会に必要とされる企業としての存在意義につなげるものです。

コンプライアンスに向けた日油の取り組み

コンプライアンスは、法令遵守にとどまらず、誠実で信頼される企業であるための基盤です。特に近年では、贈収賄防止、人権デュー・ディリジェンス、そしてハラスメント防止といった分野での取り組みが、企業の信頼性を高める重要な鍵となっています。

当社では、贈収賄防止について「贈収賄防止基本方針」を掲げ、国内外のグループ全体で徹底を図っています。 また、人権の尊重に関しては、事業拠点が存在する各国において日本語だけでなく英語や中国語など複数の言語に対応する内部通報・相談窓口を設置し、従業員がいつでも安心して声を上げられる環境を整えています。

2024年度には19件の通報が寄せられ、そのうち9件がハラスメントに関するものでした。通報に対しては迅速かつ慎重に対応し、必要な是正措置を講じることにより、働く環境の改善と問題の再発防止につなげています。私たちは、ハラスメントの防止をリスク管理の一つの施策としてだけではなく、従業員一人ひとりが安心して働ける職場をつくるための大切な機会であると考えます。社内報などでの啓発活動では、従業員にコンプライアンスが身近な自分事の課題であることを認識してもらえるように工夫を心掛けてきました。キャラクターを用いた親しみやすい解説記事や、具体的な事例紹介を行うことを通じて、私たちは「風通しの良い職場環境」を目指し、全員でコンプライアンスを実践する文化を育んでいきます。

未来への展望と社会への責任

私たちは、当社の価値観である「挑戦」「公正」「調和」の実践により、すべてのステークホルダーの皆さまとともに歩むことを目指し、環境保全活動や地域社会への貢献、人権尊重の取り組みを強化して持続可能な社会の実現への取り組みを続けています。

また、デジタル化の進展により情報漏洩やサイバーセキュリティのリスクがますます高まっていますが、当社では情報セキュリティポリシーの取り組みを強化した上で、製品や技術情報の安全保障輸出管理を徹底し、国際的な規制にも対応できる強固な体制を築いてきました。これからも、皆さまとの信頼関係を大切にしながら、さらなる持続的な成長を実現していきます。

 

最後に、皆さま一人ひとりからの信頼が、私たち日油グループにとっての最大の財産です。今後とも温かいご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

コンプライアンス体制

日油グループでは、すべての連結子会社に倫理・コンプライアンス責任者と審議組織を設置しています。日油のコンプライアンス委員会は、年2回の定期開催に加え、問題発生時には随時開催し、問題の把握、対応策の立案・フォローを実施。その結果は取締役会に報告し、必要に応じて審議しています。

コンプライアンス委員会体制図(人権体制図)

CCO:Chief Compliance Officer(最高コンプライアンス責任者)

マニュアル

コンプライアンス・マニュアル

日油グループでは、役員および従業員へのコンプライアンス意識の浸透を図るため、「日油グループ企業倫理規範」の法令遵守に関する内容をより詳しくかつ分かりやすく解説した「コンプライアンス・マニュアル」を作成しています。日本を含む各国共通の「グローバル・コンプライアンス・マニュアル」は、日本語、英語、ドイツ語、フランス語、オランダ語、イタリア語、ポルトガル語、中国語(簡体字)、インドネシア語、ベトナム語、韓国語の11か国語で発行しています。

グローバル・コンプライアンス・マニュアルの、11か国語は、日本語、英語、ドイツ語、フランス語、オランダ語、イタリア語、ポルトガル語、中国語(簡体字)、インドネシア語、ベトナム語、韓国語です。

国別コンプライアンス・マニュアル

日油グループでは、各国の法制度を前提とした国別コンプライアンス・マニュアルの整備を進めています。従業員の多い「米国版」「中国版」「インドネシア版」「フランス版」「ドイツ版」「ベルギー版」「イタリア版」「韓国版」「ブラジル版」を発行してグループ各社で活用しています。

意識向上の取り組み/内部通報

コンプライアンス関連研修

日油グループでは、従業員を対象とした各種コンプライアンス関連研修を定期的に実施しています。
2024年度は新入社員、経験者採用者を対象としたコンプライアンス研修を継続したほか、下請法に関連する注意事項の周知徹底をしました。また、関係会社資材担当者に対し、下請法の教育を実施したほか、社内管理者に対し、「ハラスメントに対する職場対応力強化研修」も実施しました。

社内報による啓発

従業員のコンプライアンスに関する意識を高める一助として、年4回発行する社内報を活用しています。キャラクターを使った親しみやすい解説記事を用いて、啓発活動を継続しています。

社内報に掲載したコンプライアンスのススメというタイトルの教育資料の1つで、製品・技術情報の輸出ついて4コマの漫画で解説されています。

コンプライアンスのススメ過去のテーマ

 

テーマ 分類
2020 知的財産権について(著作権) 情報(著作権)
内部通報窓口について 内部通報
2021 贈賄・過剰な接待などの禁止 違法行為(贈収賄)
SNSの利用に注意 情報
「風通しの良い職場」を作るには? その他
SDGsの意義 その他
2022 Web会議に潜む情報漏洩のリスク 情報
優越的地位の濫用 下請法・独禁法
他部署の不正に気付いたら 内部通報
通報者の保護 内部通報
2023 職場での嫌がらせ ハラスメント
経営理念を業務に生かす その他
適切な指導とパワハラ ハラスメント
怪しいメールに気づいたら 情報
2024 製品・技術情報の輸出 安全保障輸出
「パワハラ」に当たる行為とは ハラスメント
エンゲージメントサーベイ結果報告 人権
環境保全活動への取り組み CSR
2025 秘密情報の取り扱い 情報
コンプライアンス違反事例紹介 全般

法令の制定・改正情報の入手

法令の制定・改正に対しては、さまざまな情報源を活用した継続的な情報入手とともに、適切な対応を行ってきました。制定・改正情報の見落としリスクを低減させるため、グループ会社も含め、法令の制定・改正情報を電子メールで自動受信できるシステムを導入しています。

贈収賄防止基本方針

今日の社会においては、事業活動に絡む腐敗行為の防止は、企業における大きな課題の一つとして認識されています。日油は「日油グループ贈収賄防止基本方針」を定め、社長名にて公表するとともに、各国グループ会社へも展開を図りました。近年、厳格化している各国・地域における贈収賄・腐敗防止規制の遵守を徹底します。
このような活動の成果として、過去5年間、贈収賄の違反事例はありませんでした。

不正競争防止

日油は、営業秘密の不正取得、事実誤認を生じさせる行為、知的財産権の侵害などの不正競争行為を禁じ、コンプライアンス・マニュアルに詳細を記載、周知・徹底することで、不正競争防止法の遵守を図っています。
このような活動の成果として、過去5年間、不正競争防止法の取得違反事例はありませんでした。

政治献金

[対象範囲:日油](千円)

 

2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
政治献金金額 210 209 359 310 300

内部通報

コンプライアンスに違反した行為または違反する恐れのある行為が存在することを知った場合の内部通報・相談窓口として日油の事業拠点が存在する諸外国において、日本語・英語・中国語(簡体字)・韓国語・インドネシア語・ポルトガル語に対応する窓口を、外部の第三者機関に設置しています。
通報・相談者は、その事実を秘密裏に取り扱われることはもちろんのこと、通報・相談に関して何らの不利益を受けることはありません。また、本制度・窓口については、定期的に全世界グループ会社役職員に周知を行っています。
2024年度の内部通報件数は、19件と前年度から件数は増加し、内容としては、ハラスメントの割合が高い状況が従来より続いています。また、いずれの通報に対しても迅速かつ通報者探索のないよう、慎重に事実関係の調査を行い、必要な是正措置、再発防止策を講じました。
なお、コンプライアンス違反と判断されたものについては、コンプライアンス委員会規則に従い、コンプライアンス委員会から関係部署に事実関係の調査、要請の指示と必要に応じて是正勧告・再発防止策の実施を指示します。
このような活動の成果として過去5年間、法令に違反する事例はありませんでした。
今後も内部通報制度の趣旨の理解と適切な運用を通じて、不正、腐敗防止、人権侵害、ハラスメントなどを重大な事態になる前の段階でタイムリーに対応することで、より良い環境をつくります。

 

内部通報件数

  • 2024年度:19件
    うち、ハラスメント:9件、モラル・不正:4件、職場運営:4件、その他:2件

内部通報件数の5年間の推移の内訳として、ハラスメントによる通報件数は、2020年度3件、2021年度3件、2022年度17件、2023年度7件、2024年度9件、モラル・不正による通報件数は、2020年度1件、2021年度0件、2022年度3件、2023年度4件、2024年度4件、職場運営による通報件数は、2020年度1件、2021年度0件、2022年度2件、2023年度1件、2024年度4件、その他の通報件数は、2020年度2件、2021年度0件、2022年度2件、2023年度3件、2024年度2件です。

内部通報5年間推移
[対象範囲:日油グループ]

セクシュアルハラスメント/パワーハラスメントへの対応

日油グループでは、「日油グループ企業倫理規範」「コンプライアンス・マニュアル」や社内通達などにより、セクシュアルハラスメント/パワーハラスメントの防止・禁止を宣言するとともに、当該倫理規範などについて周知徹底を図っています。また、セクシュアルハラスメント/パワーハラスメントに関する相談窓口については、男女1名ずつの講習を受けた相談員を配置し、透明で明るい職場づくりに配慮しています。

リスクと機会

コンプライアンスにおけるリスクと機会

 

リスク項目 集約リスク リスク対応状況(まとめ) 機会
インサイダー取引
  • インサイダー取引、横領、背任、贈収賄、不正会計、粉飾決算、反社会勢力との取引などといった重過失事項が発生、社会より悪意があるものとみなされ、信用が失墜した
  • 海外現地法人に対するガバナンス不全により、会計・コンプライアンス上の問題が多発、現地当局による摘発を受け、社会的信用が失墜した
  • 日油グループ企業倫理規範、
    コンプライアンス・マニュアルに当該項目を掲載、グループ従業員への
    教育、啓発を行った
  • グループ全体の「贈収賄防止基本方針」「税務ポリシー」を制定、社内外に公表した
  • 内部者取引防止規則を策定し運用を開始した
  • 海外現地法人に対するリスクは全社重点リスクとし、業務の適正を確保するための体制の構築、内部統制監査を推進した
  • 社会的信用性の高い企業としての評判向上
  • 事業基盤の安定化
横領背任
贈収賄
不正会計・粉飾決算
反社会的勢力との取引

海外現地法人・

拠点のガバナンス不全

法令違反
  • 法令違反、官庁への虚偽報告により行政処分や刑事処分、損害賠償を受けた
  • 従業員自身の犯罪行為により、社会的信用が低下した
  • 規制強化に対応するための費用が急増した
  • 法令改正に関しては、全グループ的な法令管理システムを構築し、改正情報がタイムリーに担当者に届く仕組みを確立した。また、担当スタッフ部門からの社内通達の発信、内部監査による対応状況の確認と指導も定期的に実施している
  • 規制強化に対しては、設備対応を計画的に実施し、費用の適正化に努めた
  • 法改正の適応体制を確立したことによる、競合他社に対するアドバンテージ確保
  • 社会的信用の確保
契約不備トラブル
官庁などへの虚偽報告
違法残業

従業員不祥事
[薬物、飲酒運転、痴漢など]

規制強化

出荷困難
[不能]

精神疾患
  • 業務上のストレスによる精神疾患、ハラスメント、人権侵害により賠償請求を受けた
  • 従業員の「ストレスチェック」受診による組織的なストレス把握、自身の予防に対する意識強化
  • 「職場復帰支援プログラム取扱規則」制定による支援体制確立
  • 社内報(日油ニュース)掲載記事による「ハラスメント」の啓発
  • 社内イントラネットを活用した教育教材視聴環境の有効活用推進
  • 従業員との相互信頼体制確立による安定的な労働力確保と社会的信用度の向上
ハラスメント・人権侵害

税務

日油グループ税務ポリシー

日油グループは、経営理念を実践する上で基礎となる日油グループ企業倫理規範に則り、本税務ポリシーを遵守し、高い倫理観をもって社会的責任を果たします。
税務コンプライアンスと税の透明性を確保しながら適切な納税に取り組み、すべてのステークホルダーの信頼に応えます。

 

  1. 税務コンプライアンス
    日油グループは、各国・地域の税法及び関連規則等の遵守を徹底いたします。OECDが公表する多国籍企業および税務当局のための移転価格ガイドライン(以下、「OECD ガイドライン」)等の国際機関等が公表している基準にも準拠して事業活動を行います。
  2. 税務ガバナンス
    日油グループは、経理部門管掌役員を最終責任者として、適切な税務業務を遂行するためのグループ税務管理体制の整備を徹底し、税務リスクの管理と低減に努めます。各国・地域の税法及び関連規則等を遵守した上で、優遇税制等を適切に活用することで、税務コストの適正化に努めます。
  3. 国際税務
    日油グループは、各国・地域の税法及び関連規則、租税条約、およびOECDガイドライン等の国際機関等の公表している基準に準拠して事業活動を行います。事業目的・実態の伴わないタックスヘイブンを利用する恣意的な租税回避は行いません。グループ間の国際取引においては、移転価格税制及びOECDガイドラインを遵守し、独立企業間価格に準じた価格設定により、各国への適正な所得配分に努めます。
  4. 体制
    日油グループは、適切な税務業務の遂行のため、経営層および社員等の税務知識の浸透・定着を進めることができる体制の整備に努めます。経理部門においては、税務経験を有する人材の育成や採用を行い、スタッフが適切なレベルの専門知識を取得・維持するための研修等を企画し、適切な税務対応の担保を目指します。税務上の解釈が不明確な場合には、必要に応じて外部の専門家からのアドバイスを受けます。経理部門以外の社員等に対しては社内教育を実施し、税務知識の浸透を図ります。
  5. 税務当局との関係
    日油グループは、事業活動を行う国や地域における税務当局とは健全で良好な信頼関係を構築することに努めます。税務当局の調査および照会には、適時かつ適切な情報開示を行い、誠実に対応・協力を行います

顧客プライバシー

日油は、コンプライアンスは会社を支える基本と認識しています。法令などに違反したり、日油グループ企業倫理規範に反するような事象を、未然に防止あるいは早期是正することにより深刻化、長期化させないことが重要と考え、お取引先さまをはじめとした社外からの通報窓口(コンプライアンス・ホットライン)を、ホームページ内に設置しています。
なお、これまでのところ、本窓口を通じた下記内容に関する通報は、受領していません。

 

顧客プライバシーの侵害に関して具体化した不服申し立ての総件数[対象範囲:日油グループ]

0件

顧客データの漏洩、窃盗、紛失の総件数[対象範囲:日油グループ]

0件

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