環境

生物多様性の保全

方針

自然資本に関する方針

自然資本を守るための日油の取り組み

日油グループは、自然資本の保護と回復に積極的に取り組むことを重視しています。そのため、以下の方針を定めています。
 

  • 事業活動における自然資本への影響を最小限に抑えるため、環境影響評価を実施し、リスクを特定し対策を講じます。
  • 自然資本保護に関連する国際的な指針や法令を遵守し、環境保護に取り組むことを従業員に求めます。
  • 自然資本の損失を引き起こすサプライチェーンのリスクを評価し、サプライヤーとの協力を通じて持続可能な調達を推進します。
  • 従業員や関係者に対して環境意識の向上と自然資本保護の重要性を啓発するための教育プログラムを提供します。
  • 地域コミュニティと協力し、地元の生態系保護活動や自然資本回復のための各種プロジェクトに参加します。
     

これらの取り組みを通じて、自然資本の確保に貢献し、より持続可能な未来を実現します。

保全活動

生物多様性保全の進捗と実績

道路沿いの緑化や自社所有林の間伐・枝打ちによる「森づくり」のほか、主に絶滅危惧種を対象とする保護活動、外来植物の駆除、寄付活動などを通じて、全国各地の拠点で生物多様性に資する計画を実行しています。

大分工場「ゆふいん日油の森」植樹活動を実施

大分事業所では、生物多様性保全への取り組みの一環として、大分県が推進する「企業参画の森林づくり」に賛同し、由布市の山林への植樹活動を実施しました。本取り組みは、県の仲介により土地所有者、森林組合と協定を締結し、植栽や間伐を行い、森林環境や水源涵養地を保全する活動です。
現地は豊後富士とも呼ばれる由布岳山麓の杉伐採跡地で、約2.8ヘクタールを「ゆふいん日油の森」と命名し、クヌギなどの広葉樹2,000本を植栽する計画です。2025年3月15日には森林組合員の指導のもと従業員や家族による植栽式が執り行われ、全体の1/10にあたる200本の苗木を植栽しました。当日はコンビナート内の他社からの来賓もあり、早くも波及効果を生んでいます。
ゆふいん日油の森は苗木の成長により5年間で約160トンのCO₂を吸収する見込みです。また、大分市民の水がめである大分川の水源涵養地としての役割も期待されます。「切って、使って、植える」という循環型林業への貢献により持続可能な未来を実現していきます。

尼崎工場「尼崎の森中央緑地の森づくり」ボランティア活動に参加(2017年〜)

2024年度、兵庫県が進める「尼崎21世紀の森構想」の取り組みの一つ、「尼崎の森中央緑地の森づくり」に、尼崎工場からのべ10名の社員が参加しました。一般のボランティアや事務局の方とともに、植樹や除草に取り組みました。この森づくりの活動を通じて、臨海地域の環境改善や生物生態系の多様性の確保に貢献します。

NOFメタルコーティングス㈱「かながわ森林再生50年構想」において森林再生パートナー制度に参画

「かながわ森林再生50年構想」とは、県内にある丹沢大山や箱根といった山々から、里山や市街地近郊の植林地におよぶ約9万5,000ヘクタール、県土の約40%を占める森林を再生する取り組みです。手入れ不足による荒廃浸食を防ぎ、森林の豊かな恵みを次世代へと継承することを目的としています。NOFメタルコーティングス㈱が森林整備を支援するのは約12ヘクタール(東京ドーム約2個分)で、森林が吸収するCO₂は5年間で約247トンとなります。また、県より指定された森林の一部は、「NOFメタルコーティングスの森」と名付けることとしました。今後はパートナー企業として、森林整備や自然観察などのイベントを実施。従業員やご家族の皆さまとともに、健康づくりや親睦を深める場として活用し、自然保護・環境保全に貢献します。

二本の丸太の柱に木の板がつけられて看板になっており、NOFメタルコーティングスの森とかかれています。
CO2吸収量の証明書が掲載されています。
日本工機㈱ 森林整備活動

日本工機㈱白河製造所がある福島県では、「福島県森林整備活動による二酸化炭素吸収量認証制度」を設けており、県内の企業・団体などが実施した植栽や下刈り、間伐などの森林整備の効果を二酸化炭素吸収量の数値で認証しています。この認証は、企業・団体などによる森林整備活動への参画を促進し、地球温暖化防止など森林の持つ多面的機能の持続的発揮と山村地域の活性化に資することを目的としています。
福島県西白河郡西郷村に約149ヘクタールの森林を所有する日本工機㈱は、その森林整備活動により282トンの二酸化炭素吸収量(2012年〜2013年)が認証されました。

整備して日光が差し込むようになった林です。
額縁に入った認定証です。
日油(上海)商貿有限公司 植樹活動

日油(上海)商貿有限公司は、現在、上海近郊地区の環境改善と地球温暖化の緩和を目的に、植樹活動に積極的に取り組んでいます。2024年度は上海市奉賢区にて、社員16名で約20本のトネリコを植樹しました。この植樹活動を通じて、今後も地球環境の改善に貢献します。

日本工機㈱ 水芭蕉の群生地を保護する活動

童謡・唱歌の代表曲「夏の思い出」で知られる水芭蕉は、水辺に生える高山植物です。東京ドーム9.2個分、約43ヘクタールの広大な面積を持つ日本工機㈱美唄製造所(北海道美唄市)の敷地内には、木漏れ日がさす湿地に水芭蕉の群生地があります。白樺などの樹木や水辺に囲まれた豊かな生態系は、社員たちの継続的な観察によって大切に守られています。

沼地に水芭蕉の株が密生していて、白い花のつぼみが付いています。
愛知事業所 特定外来植物の除草

北米原産のキク科の多年草「オオキンケイギク」は、観賞用・緑化用として海外から持ち込まれましたが、繁殖力が強く、日本の生態系に重大な影響を及ぼす恐れがある植物として、平成18年(2006年)に外来生物法による「特定外来生物」に指定され、栽培、運搬、販売、野外に放つことなどが禁止されています。全国的に地方自治体がホームページなどで駆除を呼び掛けています。日油の愛知事業所においても場内各所に生育し、近年その数が急激に増加したため、場内全体で駆除活動を実施しています。

草むらの雑草の中に、沢山咲いている黄色のオオキンケイギクの花を駆除して緑の草むらになりました。
本社 FSC認証紙の使用

FSC認証は、持続可能な森林活用・保全を目的として生まれた、「適切な森林管理」を認証する国際的な制度です。日油は統合報告書、株主総会招集通知、会社案内、社内報にFSC認証紙を使い、森林を守る活動に協力しています。

本社 CSR調達

2010年度から、生物多様性への対応推進をRC活動の一つに掲げ取り組みを開始しています。2012年10月にはパーム油産業の健全な発展に貢献するため、日油は「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO※)」にPalm Oil Processors and Tradersとして加盟しました。2014年からは、生物多様性への事業者の取り組みを促進することを目的とした生物多様性民間参画パートナーシップに参加し、現在、「経団連生物多様性宣言・行動指針(2018年改定版)」に賛同しています。さらに、2019年4月には、メーカー、小売、非政府組織など18企業・団体で構成される「持続可能なパーム油ネットワーク(JaSPON)」に発足メンバーとして参加し、RSPO認証パーム油の調達と消費を産業界全体に促す活動にも取り組んでいます。
 

Roundtable on Sustainable Palm Oil(持続可能なパーム油のための円卓会議)の略。世界的に信頼される認証基準の策定とステークホルダー(関係者)の参加を通じ、持続可能なパーム油の生産と利益を促進することを目的に、2004年に設立された。本部はスイス・チューリッヒ。

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