環境
気候変動への対応
方針
気候変動に関する方針
温室効果ガス(GHG)削減の方針
気候変動は、主に化石燃料の消費によるGHGの排出増加に起因しています。この悪影響は、豪雨や洪水などの自然災害の増加、食糧資源や水資源の減少、猛暑や感染症の発生などに表れており、私たちの生活や生態系に大きな脅威をもたらしています。
私たちは、パリ協定で定められた目標である平均気温上昇を2℃よりも十分に下回ること(2℃目標)や、可能な限り1.5℃まで抑える努力を支持しています。
気候変動の緩和と脱炭素社会の実現に向け、私たちは、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指し、GHG排出削減中期目標として、2030年度までに2013年度比で40%以上の削減を掲げ、GHGの排出削減に積極的な取り組みを行います。
私たちは、自社のGHGの排出削減に注力するだけでなく、サプライチェーンの中で、原材料の調達、効率配送や、環境に配慮した製品とサービスの提供を通じて、気候変動の緩和に貢献していきます。私たちは、持続可能な未来のために行動を起こし、社会とともに成長していく決意です。
GHG削減戦略
私たちは、レスポンシブル・ケアに関わる経営方針やCSR調達方針を策定、公開し、サプライチェーン全体におけるGHGの削減対策への取り組みを宣言しています。
方針を実行するため、グループ内に対し、レスポンシブル・ケア指針として、気候変動の緩和・適応をはじめ、生物多様性、資源循環のほか、研究開発や製造などの指針を定めています。
生産拠点では、Scope1に対して低負荷エネルギーへの転換、Scope2を合わせて、エネルギーの効率的利用、Scope3の各カテゴリーに対応した取り組みを進めています。また、気候変動緩和や適応に寄与する環境関連製品群の研究開発を推進しています。
外部調達する原材料については、CSR調達ガイドラインの制定により、低環境負荷の原料調達を推進するため、サプライヤーの認識の向上を図り、それを実践すべく、サプライヤーとのパートナーシップ構築宣言を行い、持続可能な調達活動を推進しています。
さらに、私たちは「(一社)日本化学工業協会」のレスポンシブル・ケア活動の一環として、サプライヤーや地域との対話活動にも積極的に参画しています。加えて、私たちはサプライチェーンにおける脱炭素のイノベーションにも取り組んでいます。産学連携プロジェクトによるバイオマス由来原料や未利用廃熱の有効活用を研究開発しています。
これらにより、Scope3におけるGHG排出量の削減と、サプライチェーン全体の持続可能性を向上させています。
業界団体を通じた活動
日油は、2050年のカーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて、グリーントランスフォーメーション(GX)への挑戦を行い、現在および未来社会における持続的な成長の実現を目指す企業が、同様の取り組みを行う企業群や官・学とともに協働する「GXフューチャー・リーグ」に参画しています。また、代表取締役が理事を務める「(一社)日本化学工業協会」をはじめ多くの業界団体に加盟し、それぞれの団体で議論される、気候変動の課題解決に向けた方針や最新の動向を積極的に取り入れ、日々の活動に活かします。また、団体ごとの目標に取り組むとともに、日油としての方針や戦略に矛盾が生じないように、整合性を図っています。
さらに加盟する「日本石鹸洗剤工業会」では、代表取締役ほか日油役員が定期的に理事として環境委員長を務め、業界全体の環境問題の諸課題対応に尽力しています。
ロードマップ
GHG排出量削減目標に向けた施策
日油グループとして2050年にカーボンニュートラルを目指すためには、Scope1およびScope2のGHG排出量の約88%を占める国内グループの排出量削減が重要であると認識しています。そのため、国内グループでは、2030年度のScope1,2のGHG排出量の削減目標として、日本政府が示した計画の達成に向けて日油グループが属する化学産業界が貢献するために設定した目標(2030年度目標として対2013年度32%削減)を上回る目標(2030年度目標として対2013年度40%削減)を掲げ、GHGの排出量削減に向けたロードマップを作成し、GHG排出量目標達成に取り組んでいます。目標に対する進捗状況は、レスポンシブル・ケア活動を通じてGHG排出量の削減率や削減量を定期的にモニタリングしています。具体的には、日油の生産箇所の箇所長が参加して年に2回開催するRC管理者会議、および関係会社に関しては年に1回実施するRC監査において削減計画の進捗をヒアリングしています。なお、GHG排出量の算定は財務支配力アプローチを用いています。また、SBT認証は受けていませんが、検討を進めています。
GHG排出量の削減[Scope1+2]
[対象範囲:日油グループ][対象範囲:国内グループ]
Scope1・Scope2の排出量削減の進捗
国内グループおよび日油グループ全体のScope1+Scope2排出量は、2025年度で123千トン-CO₂eおよび139千トン-CO₂eとなり、削減量は2030年度目標(国内グループ2013年度比40%削減)に対する78%となっています。目標に向けて順調に進捗しており、引き続き省エネや再生可能エネルギーの活用を通じ、削減を加速していきます。
GHG排出量
[対象範囲:国内グループ]
※日本の温対法について考慮しています。
Scope1、2 GHG排出量※[対象範囲:国内グループ][対象範囲:日油グループ](千トン-CO₂e)
| 2013年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2030年度(目標) | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 国内グループ | Scope1+2 | 179 | 135 | 133 | 123 | 107 |
| 2013年度比 | ー | △44 | △46 | △56 | △72 | |
| 日油グループ | Scope1+2 | 202 | 159 | 151 | 139 | ー |
| 2013年度比 | ー | △43 | △51 | △63 | ー | |
Scope2 ロケーション基準・マーケット基準GHG排出量※ [対象範囲:国内グループ][対象範囲:日油グループ](千トン-CO₂e)
| ロケーション基準 | マーケット基準 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
| 国内グループ | 106 | 107 | 107 | 84 | 84 | 82 |
| 日油グループ | 129 | 124 | 122 | 101 | 102 | 96 |
GHG(Scope1+2)排出量・エネルギー消費データ
省エネや蒸気・燃料使用設備の電化などにより、エネルギー起源CO₂を順調に削減しています。今後はさらに再生可能エネルギーの使用比率向上を進め、CO₂削減に取り組みます。
GHG(Scope1+2)排出量[対象範囲:国内グループ][対象範囲:日油グループ](千トン-CO₂e)
| 指標 | 2013年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2030年度(目標) | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 国内グループ | エネルギー起源CO₂ | 154 | 121 | 120 | 112 | - |
| 非エネルギー起源CO₂ | 25 | 13 | 13 | 12 | - | |
| PFC※1 | 15 | 8 | 7 | 6 | - | |
| その他のGHG | 10 | 6 | 5 | 6 | - | |
| 合計※2 | 179 | 135 | 133 | 123 | 107 | |
| 日油グループ | エネルギー起源CO₂ | - | 143 | 137 | 126 | - |
| 非エネルギー起源CO₂ | - | 17 | 14 | 12 | - | |
| PFC | - | 8 | 7 | 6 | - | |
| その他のGHG | - | 9 | 7 | 6 | - | |
| 合計※2 | 202 | 159 | 151 | 139 | - | |
エネルギー消費データ[対象範囲:日油グループ][対象範囲:国内グループ](千GJ)
| 2013年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2030年度(目標)※3 | 備考 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 合計 | 再エネ 由来 |
合計 | 再エネ 由来 |
合計 | 再エネ 由来 |
合計 | 再エネ 由来 |
||||
| 国内グループ | 燃料の消費量 | 937 | 0 | 819 | 97 | 761 | 88 | 714 | 90 | 使用電気全体に 占める非化石電気の 比率:50% | |
| 購入電力の消費量 | 1,263 | 0 | 1,008 | 242 | 1,042 | 240 | 1,063 | 259 |
再エネ電力は非化石証書付電力 |
||
| 購入蒸気の消費量 | 818 | 0 | 739 | 0 | 739 | 0 | 655 | 0 | |||
| (自家発電) | 0 | 0 | 3.9 | 0.1 | 1.5 | 0.2 | 9.2 | 9.1 |
再エネ自家発電は太陽光発電 |
||
| 合計※2 | 3,018 | 0 | 2,570 | 339 | 2,543 | 328 | 2,451 | 358 | |||
| 日油グループ | 燃料の消費量 | - | - | 902 | 399 | 867 | 150 | 801 | 136 | - | |
| 購入電力の消費量 | - | - | 1,253 | 241 | 1,288 | 240 | 1,289 | 284 | |||
| 購入蒸気の消費量 | - | - | 750 | 0 | 747 | 0 | 637 | 0 | |||
| (自家発電) | - | - | 3.9 | 0.1 | 1.5 | 0.2 | 9.2 | 9.1 | |||
| 合計※2 | - | - | 2,909 | 640 | 2,903 | 390 | 2,772 | 429 | |||
- パーフルオロカーボン
- 端数処理により各項目の和と合計が一致しないところがあります。
- エネルギー消費の2030年度目標は省エネ法の非化石エネルギーへの転換目標に基づきます。
エネルギー使用量とCO₂排出量
2025年度のエネルギー使用量は、日油グループでは2,772千GJ(前年比4.5%減)、日油単独で2,201千GJ(同4.9%減)となり、継続して減少傾向を維持しています。
また、エネルギー使用に伴うCO₂排出量は、日油グループでは126.0千トン(前年比7.9%減)、日油単独では98.3 千トン(同8.7%減)となりました。引き続き、エネルギーの効率的な利用を着実に実施していきます。
エネルギー起源のCO₂排出量※1の推移
[対象範囲:日油グループ]
エネルギー使用量※2の推移
[対象範囲:日油グループ]
- 電力使用量をCO₂排出量に換算する場合の係数は、各電力供給会社が公表する各年度の排出係数をそれぞれ用いました。
- エネルギー評価で電力使用量を熱量に換算する場合の係数は、9.76MJ/kWhを用いました。
エネルギー原単位
2025年度の生産量当たりのエネルギー原単位については、日油グループ全体で14.26GJ/トン(前年比3.0%増)、日油単独で14.09GJ/トン(同0.3%減)となりました。今後も製造プロセスの見直しや省エネ活動を継続し、エネルギーのさらなる効率的利用を着実に推進していきます。
エネルギー原単位の推移
[対象範囲:日油グループ]
売上高エネルギー原単位
2025年度の売上高当たりのエネルギー原単位について、日油グループ全体で0.28kL/百万円(前年比9.7%減)、日油単独で0.30kL/百万円(同14.3%減)となり、継続して減少傾向を維持しています。工程改善やスチームトラップの交換による蒸気使用量削減などの省エネルギー活動に取り組んできたことに加えて、さまざまな高付加価値製品などによる売上高の伸長が、この結果に寄与していると評価しています。引き続き、環境負荷の低減と事業成長の両立を目指し、さらなる企業価値の向上に努めます。
売上高エネルギー原単位の推移
[対象範囲:日油グループ]
GHG削減に関する取り組み
Scope1、2(エネルギー起源CO₂)に関する 取り組み
燃料に関する取り組み
日油グループは気候変動への対応を経営の重要課題として位置付け、政府目標に準拠し、「2050年カーボンニュートラル達成」を目指しています。中期目標として、「2030年度までにCO₂排出量を2013年度比で40%削減」することを目標に掲げ、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。
その目標達成に向け、2025中期経営計画において環境設備投資21億円を計画し、再生可能エネルギーの活用や製造プロセスの見直し、非電化設備の電化、低環境負荷エネルギーへの転換などを進めてきました。
これらの施策により、下の図に示すとおり燃料※使用量は低減を継続しており、また、設備更新の効果により2025年度は前年度に比べて使用量を大きく低減することができました。
取り組み事例
- 重油ボイラーの都市ガス化(燃料転換)①
武豊工場では重油ボイラーの都市ガスへの切り替えを計画的に推進しています。2025年1月に2基の稼働を開始し、CO₂排出量を計画値で1.1千トン-CO₂/年を削減しています。さらに2027年には追加で4基の稼働を予定しています。 - 重油ボイラーの都市ガス化(燃料転換)②
日本工機㈱においても、同様に重油ボイラーの都市ガス化を推進しており、2030年の稼働を予定しています。これにより、CO₂排出量を計画値で1.2千トン-CO₂/年削減する見込みです。 - ボイラー運転の合理化
昭和金属工業㈱では、ボイラーの運転方法を見直し、冬季を除いて必要時のみ稼働させることで、不要な燃料消費を抑制し、エネルギーロスの低減に取り組んでいます。 - その他の燃料関連施策
輸送部門においては社用車のEV化を通じた脱炭素化の検討を進めるとともに、生産箇所では蒸気トラップの管理強化による熱エネルギーロスの低減など、燃料使用に係る総合的な改善を継続的に推進しています。
燃料使用量の推移
[対象範囲:日油グループ]
武豊工場で燃料を都市ガスに替えたボイラー(2025年1月稼働)
購入電力に関する取り組み
日油グループが掲げる「2050年カーボンニュートラル達成」および「2030年度までにCO₂排出量を2013年度比40%削減」の目標達成に向け、製造業においてエネルギー消費の多くを占める電力の使用量削減と脱炭素化は、最も優先度の高い取り組みの一つです。省エネルギー活動による電力消費量の削減はもとより、調達する電力そのものをクリーンエネルギーへ転換することで、CO₂排出量の大幅な削減を目指しています。
取り組み事例
- 川崎事業所の非化石証書付電力への全量切り替え
購入電力の脱炭素化における最も重要な取り組みとして、川崎事業所では2022年度より使用する電力全量を非化石証書付電力に転換しました。これにより、年間約11千トンのCO₂排出量を削減しており、日油グループのScope2削減に大きく貢献しています。
非化石証書付電力とは、再生可能エネルギーなどの非化石電源で発電されたことを証明する証書が付与された電力であり、購入によりCO₂排出量を低減できる即効性の高い脱炭素手段です。川崎事業所での取り組みを先行事例として、ほかの生産拠点やグループ会社においても、電力の一部を非化石証書付電力に順次切り替えていくことを実施または検討しており※、日油グループのCO₂排出量のさらなる削減を目指します。
川崎事業所
- 省エネ活動の推進
電力消費量の削減に向け、設備の高効率化や廃熱回収による省エネ活動を積極的に推進しています。具体的には、不要な照明の消灯や空調温度の管理を徹底するとともに、太陽光発電のさらなる増設検討、ヒートポンプ熱回収システムの導入検討、照明のLED化、ならびにポンプ、冷凍機、変圧器などの設備の高効率化やインバーターの取り付けなどにより、電力消費量の低減を図ります。今後も、製造プロセス全体を通じたエネルギー効率の向上に継続的に取り組みます。
日本工機㈱(白河、美唄):2025年度から電力使用量の20~25%を非化石証書付電力に切り替え など
購入蒸気に関する取り組み
日油グループでは、製造プロセスにおいて外部から購入する蒸気(購入蒸気)が、GHG排出の重要な要素であることを認識しています。蒸気の発生には化石燃料の使用が必要となるため、その使用量削減はGHG排出量削減目標の達成に貢献します。
日油グループの脱炭素目標の達成に向け、2025中期経営計画において、環境設備投資21億円を推進しており、再生可能エネルギーの活用や製造プロセスの見直し、非電化設備の電化、低環境負荷エネルギー源への転換などを進めてきました。
その中核をなす施策の一つが、蒸気を熱源とする非電化設備の電化です。さらに、再生可能エネルギー由来の電力を活用することで、GHG排出量を削減し、日油グループのGHG排出量削減目標の達成を目指しています。
取り組み事例
- 非電化設備の電化転換およびプロセス改善などによる蒸気使用量削減
大分事業所においては、2023年度にスチームエジェクターの真空ポンプへの電化(第一期工事)を実施したほか、蒸気診断プログラムを導入し、蒸気使用状況の継続的なモニタリングを開始しました。これらの施策により、年間合計で約0.6千トン-CO₂e以上のGHG排出削減効果が見込まれています。
また、各工場では蒸気トラップの更新やプロセスの見直しを随時実施しており、こうした継続的な改善活動と電化の相乗効果により、2021年度以降、購入蒸気使用量は減少傾向が続いています。
今後の展開として、大分事業所のスチームエジェクター電化については、2026年度および2027年度稼働を目標とした第二期工事が予定されています。さらに、衣浦工場(愛知事業所)においても、2029年度稼働に向けたスチームエジェクターの電化計画が進行中です。
日油グループは引き続き電化の対象設備を拡大し、2030年度のCO₂削減目標の達成および2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、着実に取り組みを推進していきます。
購入蒸気使用量の推移
[対象範囲:日油グループ]
真空ポンプ(大分事業所)
自家発電に関する取り組み
電力の脱炭素化を推進する上で、外部からの購入電力への依存を減らし、日油グループで再生可能エネルギーを活用した電力を創出する「自家発電」の取り組みは、Scope2排出量の削減に直結する重要な施策です。太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーによる自家発電設備の導入は、長期的なエネルギーコストの安定化にも寄与するとともに、カーボンニュートラル達成に向けた自律的な脱炭素経営の実現を支える基盤となります。日油グループでは、各生産拠点の特性に応じた自家発電設備の導入・拡大を順次進めています。
取り組み事例
- LS愛知工場および㈱ジュアンビューティにおける太陽光発電設備の導入
2025年4月に、LS愛知工場および㈱ジュアンビューティでは、屋根置き型の太陽光発電設備を導入しました。発電した電力を工場内で自家消費することで、購入電力量の削減とCO₂排出量の低減を図っています。設備の導入にあたっては、建屋の屋根面積や日照条件を精査した上で最適な設置規模を決定しており、年間を通じた安定的な発電量の確保に努めています。これにより、70トン-CO₂e/年の排出量削減を実現しており、日油グループのScope2削減目標の達成に向けた重要な要素の一つとなっています(日油グループ全体の太陽光発電では208トン-CO₂e/年の排出量削減)。今後は他の生産拠点への展開も視野に入れ、グルー プ全体での自家発電比率の向上を目指します。 - 衣浦工場におけるコージェネレーションシステムの活用
衣浦工場では、都市ガスを燃料とするコージェネレーションシステム(熱電併給設備)を導入し、電力と熱を同時に生産することで、エネルギーの総合効率を大幅に高めています。電力と熱をそれぞれ別途調達・生成する場合に比べ、コージェネレーションシステム一つの設備でまかなうことができるため、一次エネルギー消費量の削減とCO₂排出量の低減を同時に実現しています。 今後も設備の安定稼働と効率的な運用を継続し、さらなるCO₂排出量の削減を目指します。
LS愛知工場の太陽光パネル(2025年4月稼働)
㈱ジュアンビューティ知多工場の太陽光パネル(2025年4月稼働)
太陽光発電 2025年度実績
| エリア | 箇所 | 具体的場所 | 発電能力 (kW) |
平均日照時間 (h) |
稼働日数 (日) |
発電実績 (MWh) |
削減CO₂ (トン-CO₂e) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
川崎事業所 |
大師工場 | 16.6 | 2.6 | 365 | 15.6 | 6 | |
| 尼崎工場 | 尼崎工場 | 関西社宅 | 10 | 4.8 | 365 | 17.5 | 43 |
| 愛知事業所 |
衣浦工場 | 38号倉庫 | 19.8 | 4.8 | 361 | 34.1 | 14 |
| LS愛知工場 | 製造棟、工場管理棟 | 94 | 3.4 | 345 | 111.0 | 48 | |
| 日油技研工業㈱ | 川越工場 | 10 | 5.2 | 365 | 18.8 | 8 | |
| ㈱ジュアンビューティ | 知多工場 | KJ-2屋上、危険物倉庫 | 46 | 3.4 | 345 | 54.0 | 22 |
| PT.NOF MAS CHEMICAL INDUSTRIES(NMC) | 70 | 4.5 | 365 | 115.5 | 67 | ||
| 合計 |
208 | ||||||
Scope1(PFC)に関する取り組み
愛知事業所では、温暖化係数の高いPFC(パーフルオロカーボン)を、有機過酸化物の希釈剤として用いて特殊用途製品を製造しています。
使用しているPFCは低沸点溶媒であり大気への影響が大きいため、工程改善による影響の低減に努め、さらに2006年度より各工程に設置したコンデンサーによりPFCを冷却回収して再利用する設備を導入し、これまでに数回の設備改善を行い、PFC排出量の削減に努めてきました。その結果、1995年(PFC類の基準年)に対し大幅に排出量を削減しました。
2025年度は、設備改善の効果により、2024年度比13%程度の減少となりました。今後も、回収設備の安定稼動を継続し、希釈剤変更などに取り組み、排出量の削減を推進していきます。
PFC排出量の推移
[対象範囲:日油]
Scope1に対するPFCの割合
[対象範囲:日油]
PFC冷却回収用コンデンサー(写真はPFCタンクに付帯のもの)
森林整備活動によるGHG削減
日油グループでは、森林整備活動によるGHG削減(CO₂吸収)活動も進めています。
日本工機㈱白河製造所では、福島県の「森林整備活動による二酸化炭素吸収量認証制度」を活用し、植栽や間伐を行い、2012~2013年に282トンのCO₂吸収量が認証されました。
NOFメタルコーティングス㈱では、神奈川県「かながわ森林再生50年構想」に賛同し、2022年から「森林再生パートナー制度」に参画して森林整備を支援し、5年間でのCO₂吸収量が約247トンになります。
大分事業所では、大分県が推進する「企業参画の森林づくり」に賛同し、2025年に由布市の山林への植樹活動を実施しました。苗木の成長により、5年間で、約160トンのCO₂を吸収する見込みです。
日油グループの森林整備活動によるCO₂吸収量
- 累計689トン
インターナルカーボンプライシング(ICP)制度の活用
再生可能エネルギーへの転換や脱炭素化を一層推進するため、インターナルカーボンプライシング(ICP)の試験的な取り組みを拡大し、個別の投資案件でGHGの増減が見込まれる場合には、ICPを反映した経済性指標を算出して投資判断を行っています。これにより、設備投資や事業戦略における経済性の判断をより精緻化するとともに、金額効果の見える化を通じて従業員の省エネ意識を高め、事業活動全体の脱炭素化と社会全体のカーボンニュートラルの実現に貢献しています。
社内炭素価格
- 15,000円/トン-CO₂
Scope3 排出量と削減への挑戦
持続可能な社会実現に向け、日油グループはサプライチェーン全体のGHG排出量削減を重要な課題と認識しています。2025年度Scope3総排出量872.5千トン-CO₂eのうち、Category1(購入製品・サービス)408.7千トン-CO₂e、Category10(販売製品の加工)24.7千トン-CO₂eが主な排出カテゴリーとなっており、さらに算定の精度向上と排出量目標の設定に向けて取り組みます。また、CSR調達ガイドラインに基づき、サプライチェーン全体の削減を推進するため、社内外のステークホルダーと対話し、協働することで、継続的な改善を推進します。
Scope3 算出状況 (千トン-CO₂e)
| Category | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 対象 | 算出方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1)購入した製品・サービス | 453.3 | 520.5 | 408.7 | ※1 | 購入原材料、消耗品、補修材料の品目ごとの物量や金額に データベース※4による部門別排出原単位を乗じて算出 |
| 2)資本財 | 53.3 | 52.5 | 98.4 | 日油 グループ |
固定資産の取得金額に、データベース※4による排出原単位を乗じて算出 |
| 3)Scope1、2に含まれない燃料 およびエネルギー関連活動 |
36.8 | 38.0 | 35.3 | 日油 グループ |
燃料、電力および蒸気の使用量に、データベース※4による排出原単位を乗じて算出 |
| 4)輸送、配送(上流) | 26.7 | 29.9 | 26.8 | ※2 | 購入原材料の輸送トンキロデータおよび日油が荷主の納入製品の 輸送トンキロに算定・報告・公表制度で定められた方法で算出 |
| 5)事業から出る廃棄物 | 9.7 | 10.7 | 11.3 | 日油 グループ |
各生産箇所から排出される廃棄物の種類別の重量に、 データベース※4による排出原単位を乗じて算出 |
| 6)出張 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 日油 グループ |
従業員数に、データベース※4による排出原単位を乗じて算出 |
| 7)雇用者の通勤 | 1.4 | 1.1 | 1.1 | ※3 | 通勤手当費用額に、データベース※4による排出原単位を乗じて算出 |
| 8)リース資産(上流)賃借 | ー | ー | ー | 該当する活動がないため非該当 | |
| 9)輸送、配送(下流) | ー | ー | ー | 該当する活動がないため非該当 | |
| 10)販売した製品の加工 | 17.8 | 26.6 | 24.7 | 日油 | 食用加工油脂、産業用爆薬の販売量にデータベース※4による 排出原単位を乗じて算出 |
| 11)販売した製品の使用 | 未計算 | 未計算 | 未計算 | 算定に必要なデータの収集が困難であるため未計算 | |
| 12)販売した製品の廃棄 | 0.6 | 292.3 | 265.7 | 日油 グループ |
2023年度: 出荷製品の梱包材について、種類別の重量にデータベース※4による排出原単位を乗じて算出 2024年度以降: 容器包装リサイクル法対応容器重量および廃棄処理が必要な化学製品の販売量にデータベース※4による排出原単位を乗じて算出 |
| 13)リース資産(下流) | ー | ー | ー | 該当する活動がないため非該当 | |
| 14)フランチャイズ | ー | ー | ー | 該当する活動がないため非該当 | |
| 15)投資 | ー | ー | ー | 該当する活動がないため非該当 | |
| 合計 | 600.1 | 972.1 | 872.5 |
Scope3に関する取り組み
日油グループは、CSR調達ガイドラインに基づき、サプライチェーン全体でのGHG排出量の削減に取り組んでいます。
また、パートナーシップ構築宣言に参加し、サプライヤーとの連携を強化しています。
Category1(購入した製品・サービス)削減に向けた取り組み
Category1(購入製品・サービス)の排出量は、2025年度408.7千トン-CO₂eとなり、Scope3の総排出量の約47%を占めています。現在、算定システムの導入を進めており、算定精度の向上を通じて、削減に向けた目標設定の準備を進めています。
Category4(輸送・配送(上流))削減に向けた取り組み
日油グループでは、2006年度から統合配送システムを稼動させ、物流の効率化を図っています。加えて、モーダルシフト※や共同配送の推進にも取り組んでいます。
トラック輸送から鉄道便へのモーダルシフトを推進しており、現状、全輸送量に占める鉄道および船舶輸送の比率は18.3%となっています。輸送に関するGHG排出量原単位は、統合配送システム実施初年度(2006年度)を100とすると、2025年度は41.5となりました。
物流モーダルシフト [対象範囲:日油]
輸送に関するCO₂排出量原単位 [対象範囲:日油]
モーダルシフト
大分工場 モーダルシフトスキーム
ライフサイクルアセスメント(LCA)
日油グループでは、製品・サービスにおける環境負荷をより適切に把握し、今後の削減施策の検討につなげていく上で、ライフサイクルアセスメント(LCA)の重要性を認識しています。
LCAとは、原材料の調達から製造、流通、使用、廃棄・リサイクルに至るまで、製品やサービスがライフサイクル全体を通じて生じる環境負荷を、定量的かつ多面的に評価する手法です。脱炭素社会の実現に向けては、製造工程のみならず、サプライチェーン全体を見据えた環境負荷情報の把握が重要であり、LCAはその基盤となる考え方であると認識しています。
現在、日油グループでは、その基礎となるカーボンフットプリント(CFP)の精度向上に向けた検討を開始しています。CFPとは、製品・サービスの原材料調達から製造、流通、使用、廃棄・リサイクルに至る各段階で排出されるGHGを、製品単位で二酸化炭素(CO₂)量に換算し、可視化する仕組みです。
こうした考え方のもと、日油グループでは製品別のScope1、2、3に関する情報の整理・データベース化を進め、CFPの試算を行っています。従来の計算では、それらの情報の一部において生産箇所全体の情報や主要原料などをもとにした代替値を用いていましたが、製品固有の情報を精緻化することで、実態に即したCFPの把握につなげていきます。
今後は、算定対象となる製品範囲の拡大や関連データの整備・精緻化を段階的に進め、CFP計算方法の簡便化と標準化を進めていくことで、LCAの考え方を取り入れた環境負荷把握の高度化を検討していきます。
日油グループのライフサイクルイメージ
