人材確保とダイバーシティ&インクルージョン

採用・離職

採用と人材登用
 日油は、経営理念の実現のために新卒採用に加え経験者採用にも注力しており、多様な人材の採用を進めています。採用にあたっては、採用方法の工夫やホームページの会社案内、採用情報の充実により新卒、経験者採用を積極的に実施しています。
 また、性別や国籍を問わず優秀人材の確保・登用が重要であると認識し、とりわけ海外事業の拡大を進めるにあたっては経験者採用を活用し、適切な人材確保をはかり、海外関係会社(海外現地法人)では現地従業員の採用や幹部登用を進めています。

   経験者採用平均年齢(入社時)2023年度:29.5歳

離職
 日油は、年に1度、上司と部下がキャリアに関する対話を行う機会(自己申告制度)を設け、個々の希望等の把握に努め、キャリア構築の支援や働きやすい職場づくりの推進を進めるとともに、介護や育児等と仕事の両立を支援する制度の充実化をはかっています。また、新たにキャリア相談窓口を設置し、専門家のアドバイスを得られる機会を提供し、主体的なキャリア構築の支援を開始しました。キャリアのアドバイスを受けることで、仕事に対する見方や視野を広め、高い意欲をもって働く仕組みとして活用を進めています。

 離職率 自己都合による離職(日油):2.5%(2023年度)
 (日油と国内連結5社の自己都合による離職率:2.3%)

サクセッションプラン

 次世代の取締役候補となる人材を育成し、取締役会から委任をうけた指名委員会が主体的にその選任に関与する仕組みを整えており、取締役の選任を審議することに加え、執行役員などの経営幹部の育成プロセスを確認し、取締役会へ答申を行つています。
 また、取締役兼執行役員と役付執行役員によつて構成する人材会議において、次世代経営幹部候補となる人材から日油グループに関する経営施策等提言を行う場を設け、議論を通じて人材の成長を促す取り組みを進めています。人材会議は、次世代経営幹部候補となる人材育成施策のPDCAを回し、施策内容の見直し等を適宣進めており、取締役会は、経営幹部候補の人材育成施策の計画および進捗状況を監督しています。

雇用の多様性

社内公募制度
 日油では、これまで、全社横断で実施するプロジェクト業務に関する社内公募制の仕組みを整えていましたが、対象を拡充させ、一部の社内人事異動を加えて社内公募を行う仕組みを構築中です。キャリアのオーナーシップを向上させ、意欲ある人材を配置することにより、組織の活性化等を促進するよう運用を図っていきます。


定年延長
 日油は、2023年4月に、定年を65歳へ引き上げています。定年引き上げにより、高度な専門能力や技術、経験を引き続き社内で活かし、一層活躍できる場を創出しました。


ダイバーシティ&インクルージョンの方針(考え方)
 日油グループは多様な価値観を持つ従業員の活力を最大限引き出すことができる環境や風土を整えていくことが、持続的な事業成長の実現において大切であり、多様性を受容し尊重することによって、イノベーションを起こし続けることができると考えています。
 2023年4月に新経営理念体系を施行し、「多様な個性を尊重し、高い倫理観と良識をもって公正に行動します」と新たに行動規範を定め、多様性を受容・尊重する行動を従業員へ求めています。雇用、処遇、昇進などのすべての局面において、能力と意欲ある社員が適正に評価され、活躍しやすい組織づくりを目指し、取り組んでいます。


障がい者の雇用
 日油では、障がいがある方がそれぞれの能力を発揮して職場で活躍することができるよう、各事業所では事務所等のバリアフリー化を整備し、障がい者雇用を推進しています。
 2024年3月時点の障がい者雇用率は2.54%で、法定雇用率(2.3%)を上回っています。日油は、引き続き障がい者雇用の拡大と、障がい者の方が働きやすい職場環境の整備に取り組みます。

 障がい者雇用率(日油):2.54%(2023年度)
             3.0%以上(2030年目標値)
  (2024年3月時点の日油と国内連結5社の障がい者雇用率:2.40%)

女性活躍

女性活躍推進
 日油では、女性の活躍を推進しており、2023年度採用の新卒総合職社員のうち32.7%が女性でした。女性の採用を積極的に進めるとともに、女性が活躍できる職場環境の充実に努めています。各種の育児・介護支援制度の充実に努め、また、新入社員および新任管理者に対するダイバーシティ研修の実施のほか従業員一人ひとりの職種や個性に応じた能力開発の効果的な実施など、多面的に社内環境整備を推進しています。2023年度は当社管理職のうち、5.2%(1.1倍)が女性管理職となりました(日油と国内連結5社の女性管理職比率は、4.7%)。

 新卒女性総合職の採用比率
   32.7%(2023年度)
   30%以上(2016年度から毎年度目標達成)

 女性管理職比率
   5.2%(2023年度)
   3倍以上(2021年度末を起点に2030年度までの目標)

一般事業主行動計画

「次世代育成支援対策推進法」および「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づく一般事業主行動計画

ワーク・ライフバランスの充実および従業員一人ひとりが意欲的に挑戦し活躍するための環境整備を目的として、以下のとおり行動計画を策定する。

1.計画期間:2023年4月1日~2028年3月31日の5年間

2.目標と取組み(2023年4月~)
 目標1:仕事と家庭生活を両立し易い環境を整備する。
 <取組み>
  育児・介護・治療等と仕事を両立しながら安心して働き続けられるよう、両立支援制度を
  活用しやすい職場環境づくりや両立支援制度の拡充を進めており、積立保存休暇制度の
  改定を実施した。
 
 目標2:年次有給休暇取得率75%以上を達成するための環境を整備する。
  <取組み>
  年次有給休暇の取得促進に向けて、各職場での取得状況を把握し、取得喚起を行っている。
  
 目標3:効率的な働き方を推進する。
  <取組み>
  労働時間短縮に向け、新たに在宅勤務制度を設けた。
   
 目標4:総合職の女性採用比率30%以上を継続するとともに女性の就業継続のための環境を整
     備する。
 <取組み>
  総合職の女性採用比率をKPIと定め採用活動を行っています。また、ライフステージに応
  じた多様な働き方を実現するための施策として新たに妊娠時の体調不良に関して積立保
  存休暇を取得できるものとし、女性の就業継続環境を充実した。  

報酬

報酬の公平性
 日油は社員給与規則に「同一価値の労働に対しては同一の賃金を支払う」との賃金の原則を定めています。
 日油では、2023年における従業員の男女の賃金の差異が、全従業員で72.0%であり、このうち正規雇用の従業員については72.6%でした。これは、男女平均勤続年数に差があること、また製造部門の交替勤務従事者が男性のみであり、交替勤務に対する手当に差が生じるためであること、加えて男性と女性の管理職比率の差が要因となっています。出産・育児等と仕事の両立支援、女性の交替勤職場勤務が可能となるよう職場環境の整備を促進すること、ならびに女性管理職の登用に取り組むことにより、男女賃金差異の比率の縮小を目指します。
 
 男女賃金差異比率
  2023年度  : 正社員 72.6%、非正規 84.5%、全体 72.0%
           (日油と国内連結5社の正規雇用従業員の異女賃金差異:71.8%)
  2030年目標 : 正社員 75%以上、非正規 100%、全体 75%以上

   ※ 男女賃金差異比率(%)=女性平均年収/男性平均年収×100

|正社員における男女賃金差異の要因と施策
要因 施策
男女平均勤続年数に差があるため ・出産、育児等と仕事の両立支援
製造部門の交替勤務従事者が男性のみであり、交替勤務に対する手当に差が生じるため ・女性の交替勤職場勤務が可能となるような職
 場環境整備の促進
男性と女性の管理職比率に差があるため ・女性総合職の積極採用、女性活躍を推進する
 社内環境整備の促進

ワーク・ライフ・バランス

ワーク・ライフ・バランスの推進
 日油は、従業員が仕事と育児や介護、趣味や学習、休養、地域活動など仕事以外の生活との調和を重視しながら、活き活きと働くことができる環境の整備を進めています。従業員のワーク・ライフ・バランスを重視して、下の表に示す各種制度を導入し、具体的な支援に取り組んでいます。表中、網掛けの項目は日油独自の制度あるいは法定を上回る内容の制度です。

多様な働き方を支援する制度のリストです。育児支援の制度は、時間外労働の制限・免除、深夜業の制限、始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ、休日出勤の制限、業務配慮・負担軽減、通院休暇、産前産後休暇、不妊治療と仕事の両立支援、次世代育成支援は、出生時育児休業・育児休業、子の看護休暇、有給の育児時間、介護休業、介護休暇、その他の制度は、年次有給休暇、半日年次有給休暇、積立保存休暇、リフレッシュ休暇、フレックスタイム制度、裁量労働制 、自己啓発支援、体育文化会活動、在宅勤務制度です。
(図をクリックして拡大します)

※1 育児の場合、小学校3年生までの子を養育する従業員を対象としています。
※2 育児休業者のキャリアと育児の両立を支援するオンラインサービス「wiwiw(ウィウィ)」
   (㈱wiwiwによる提供)を導入し、産休・育休取得者にご利用いただくことにより、キャ
   リアと育児の両立を支援しています。
※3 時間単位での取得が可能です。
※4 短時間勤務制度やフレックスタイム制度、不妊治療休暇などが利用できます。
※5 生後1年に満たない乳児を育てる女性が1日2回(1回について30分)の育児時間を有給として
   います。
※6 積立保存休暇は、失効年休に、別途積立日数を加えて、毎年積立てる休暇制度です。
   私傷病、育児、家族看護、介護、自己啓発、ボランティア活動およびリフレッシュ休暇(勤
   続休暇)などに使用できます。
※7 従業員が自らの意思で研修メニューを選べる「通信教育」への支援や、勤続10年以上の社員
   が自己啓発のため連続して10日以上の社外研修に参加する場合に積立保存休暇を利用できる
   仕組みを設け、自己啓発を支援しています。
※8 週あたり2回まで、事前の承認を得て在宅勤務を行うことを認めています。また、事前の承認
   を得て就業時刻を2時間まで繰り上げ、繰り下げを行うことを認めています。

働き方改革
 日油は、仕事以外の生活の充実を図ることを目的に、適正な労務管理の下、業務の効率化や生産性の向上、所定終業時刻以降の就業制限や勤務間インターバル制度の導入などを進め、時間外労働削減の取り組みを進めています。

年次有給休暇取得率の推移は2019年度69.4%、2020年度69.3%、2021年度70.0%、2022年度73.4%、2023年度76.0%です。
  年次有給休暇取得率の推移【日油】

年休取得の推奨
 日油は、ワーク・ライフ・バランスを重視し、いきいきと働くことができる環境の整備を進めています。全従業員を対象に誕生月に年次有給休暇の取得を奨励することや、各人の取得状況を把握し上司と本人へ取得喚起、上司と本人の面談時に取得状況を両者で確認するなど、年次有給休暇の取得を推奨しています。

 年次有給休暇取得率※1※2
  76.0%(2023年度)⇒75%以上(2025年度目標)
   (日油と国内連結5社の年次有給休暇取得率:77.1%)

    ※1 毎年3月31日時点のデータです。
    ※2 前年度9月21日~当年度9月20日(日油の休暇年度)で計算しています。

リフレッシュ休暇制度
 日油は、従業員が日常の業務活動から離れて心身のリフレッシュを図り、幅広い視野と柔軟な思考を育む機会が得られるよう、勤続5年、10年、15年、20年、25年、30年、35年、40年に達した従業員が連続5日(労働日)の有給休暇を取得できる制度を設けています。

月平均時間外労働時間の推移は2019年度14.1%、2020年度13.0%、2021年度13.5%、2022年度13.4%、2023年度13.4%です。
   月平均時間外労働時間【日油】

定時退社奨励日
 日油は、毎週水曜日と第2金曜日、第3金曜日を定時退社奨励日と定めて、所属事業所の定時での退社を奨励し、夫々の職場において効率的な働き方を行う取り組みを実施しています(製造箇所での交替勤務等は除く)。日油の月平均時間外労働時間は、2023年度13.4時間となりました。(日油と国内連結5社の月平均時間外労働時間:13.1時間)

 月平均時間外労働時間 : 13.4時間(2023年度)

ボランティア休暇制度
 日油は、国および地方自治体等からの要請に基づき、ボランティア活動に参加する場合、積立保存休暇を利用できる制度を設けています。

育児・介護支援

育児支援プログラムのWebサイトのスクリーンショットです。

育児支援プログラム
 日油は、2016年4月から「キャリアと育児の両立支援プログラム」を導入しています。このプログラムでは、育児休業中にインターネットを通じて、育児に役立つ情報や、育児で疲れた心を癒やすイベント情報などを定期配信しています。育児相談の窓口も設け、育児を多方面から支援します。加えて、最新の社内情報を定期配信し、ビジネススキルを磨くことができるコンテンツを充実することで、育児休業中のスキルアップ、スムーズな職場復帰をサポートするなど、育児と仕事の両立を支援する内容となっています。男性社員も含め、多数の利用があり、好評です。

育児休業取得者数(日油) : 男性97.4%(37名)、女性100%(15名)(2023年度)
育児休業取得率(日油と国内連結5社):男性73.7%(42名)、女性100%(22名)(2023年度)

次世代育成支援(育児・介護の支援)
 日油は、仕事と育児・介護を両立するための制度整備とともに、育児短時間勤務制度の対象となる子の年齢の引き上げや、育児休業期間・介護休業期間の拡大など、支援施策の拡充に積極的に取り組んでいます。
 2010年6月には、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画への取り組みと実績が認められ、東京労働局に「次世代育成支援に積極的に取り組む企業」として認定されました。その後の行動計画では、仕事と育児・介護を両立しやすい環境の整備に向けた取り組みとして男性の育児休業取得を促進し、実践しています。
 2016年4月には看護・介護について、積立保存休暇の使用要件を拡大し、2017年4月には、介護に直面した際に仕事との両立を図り働き続けることができるよう、介護保険制度の基礎知識や仕事との両立方法、介護に関する社内制度等をまとめたハンドブックを作成し、日油イントラネット(NICE)のワーク・ライフ・バランスのページ内に掲載しました。
 ● 仕事と育児の両立支援ハンドブック(男性従業員向け)
 ● キャリアと育児の両立支援ハンドブック(管理職向け)
 ● 仕事と介護の両立支援八ンドブック
 ● 仕事と介護の両立支援ハンドブック(高齢者施設と介護費用の基本編)

【介護休業制度、介護体畷制度】
 介護休業制度および介護休暇制度を整備しています。積立保有体暇を利用することも可能であることから、2019年度から2023年度の5年間で取得者はいません。

年金・退職金制度

 日油は、社員の退職給付に充てるため、積立型の確定給付企業年金制度を採用し、人事制度上の資格と勤続年数に基礎にポイントを積算し、年金または一時金を支給しています。
 2024年3月末現在の確定給付企業年金制度の責任準備金に対する退職年金資産の積立率は、以下のとおりです。なお、継続基準※1および非継続基準※2を上回っています。

 ※1 継続基準:制度が今後も継続していくことを前提とする年金給付に必要な積立水準
 ※2 非継続基準:制度が当該年度末時点で終了した場合に年金給付に見合う積立水準

退職年金資産 23,244百万円
責任準備金 18.595百万円
積立率 125.0%

褒賞・報奨

社員功績褒賞
 日油では、社業の永続発展に資する従業員の功績に対して、毎年7月1日に褒賞する制度を設けています。


職務発明報奨
 日油では、毎年4月に職務発明の審査を行い、発明者に発明報奨金を授与しています。

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