大豆レシチン(大豆に含まれるリン脂質)を加水分解して得られる「グリセロホスホコリン」という成分です。
海外では「コリン」補給を目的として、医薬品やサプリメント向けに使用されてきました。
日本においても法改正に伴い、新たな食品成分として認められました。
また、母乳をはじめとして体内にも普遍的に存在する安全な成分です。
「コリン」補給剤としてのα-GPCの特長の一つは、少ない量で効率よく「コリン」を補給できることにあります。
「コリン」を摂取するのに必要な量を比較すると、α-GPCとして必要な量は、「コリン」補給剤として期待されている大豆レシチン(PC)の1/4量になります。
「コリン」補給剤として、α-GPCは最も適した成分と言えるのです。
コリンを1g摂取するのに必要な量の比較
α-GPCの生理機能については、様々な研究報告があります。
アルツハイマー型認知症患者における認知機能評価
n=261 (軽度〜中等度アルツハイマー型認知症患者)
α-GPC 400mg×3回/日 180日間摂取
(Clin. Ther., 25(1), 178-93., (2003)より一部改編)
ADAS-Cogとは:Alzheimer's Disease Assessment Scale アルツハイマー型認知症の評価尺度
学習能向上
(Neuro sci Lett., 167(1-2), 171-4., (1994))
ストレスホルモン分泌抑制
α-GPCによってストレスホルモンの代表的なマーカーであるコルチゾール、副腎皮質刺激ホルモン (adrenocorticotropic hormone)の血中濃度低下が確認されました。
n=19 (60歳以上の男女)
α-GPC 1,000mg/日 3ヶ月間 筋肉注射
(Le Basi Razionali della Terapia., 23(Suppp.3)., 108-116., (1993))
成長ホルモン分泌促進
n=15 (若齢者8名、高齢者7名)
α-GPC 1,000mg+成長ホルモン放出ホルモン 1μg/kg 静脈注射
(Horm.metab.Res., 24, 119-121., (1992) より一部改編)
肝機能障害改善
(FASEB J., 2093-8., (1991))
コリンが欠乏すると肝機能障害の代表的マーカーの一つである血漿ALT(GPT)濃度が上昇することが確認されています。
α-GPCを摂取し、コリンを補給することは肝機能障害を改善する可能性があります。
血圧低下作用
(特開昭62-111926(6))
マグヌス管摘出動脈血管弛緩試験
ノルエピネフィリンは、ストレス時に分泌され、末梢血管を収縮させます。α-GPCは、アセチルコリン(緊張緩和物質)と同様に、ノルエピネフィリンによる末梢血管収縮を弛緩させることがラット大動脈摘出血管片を使用した試験にて確認されています。
α-GPCはアセチルコリンと同様に血管弛緩作用を示すことから、血管を拡張し血圧を下げる可能性があります。
競技パフォーマンス向上への期待
激しい運動による血清コリン濃度の低下が報告されています。 α-GPCの摂取はコリンを補給し、血清コリン濃度の低下による競技パフォーマンスの低下を改善する可能性があります。 |
ボストンマラソンでの選手の血清コリン濃度
(Int.J.Sports Med., 13, S141-S142., (1992))
傷害時修復能向上への期待
注: (J Cell Biol., 167(1), 35-41., (2004))
α-GPCの摂取は細胞膜構成成分の一つであるコリンを補給し、傷ついた筋肉細胞の修復を促進する可能性があります。