価値創造

DX戦略

価値創造に関連する画像です。

方針

日油がDXを通して目指す姿は、全従業員が高いモチベーションをもって創造的に業務へ取り組み、お客さまや社会のニーズを先取りした高品質な製品・サービスを迅速に提供する企業であり続けることです。そのために、デジタルデータ・技術を活用し、新製品・新技術の開発力強化と生産性の向上を図ります。この実現に向けたDX戦略として「デジタル化による業務改善/効率化の推進」を掲げ、次の3つの重点実施項目を設定しました。(1)DX人材の育成(2)DXの推進(3)データ利活用環境の整備です。これらを実施することで、お客さまや社会にはマーケティングの高度化や研究開発力の強化、生産性・品質の向上を、従業員には業務の自動化・効率化やワークスタイルの変革などの価値を提供します。

DX戦略

デジタル化による業務改善/効率化の推進

重点実施項目

1. DX人材の育成
(1)DX推進を担う人材の育成加速
(2)DXリテラシーの向上

2. DXの推進
(1)全社DX活動の推進
(2)各部門/箇所のDX推進活動の支援

3. データ利活用環境の整備
(1)データ利活用基盤の構築
(2)社内データの利活用推進
(3)情報検索システムの導入
(4)生成AI活用方針/環境整備

DX人材の育成

DX人材育成プログラム

日油では、DXに関する戦略や課題などを踏まえ、各部門・箇所で自律的にDXを推進する体制を構築するため、DX人材の育成に力を入れています。育成対象者は各部門・箇所から選抜され、「DX推進者」「データ活用推進者」「システム担当者」の人材タイプに分類されます。それぞれに必要な専門知識やスキルを習得するため、標準プログラムに加えて、受講者へのアンケート結果をもとにした個別研修も実施し、一人ひとりの課題やニーズに応じた学習機会を提供しています。育成プログラム第三期は、64名がDX人材育成プログラムを受講しています。プログラムの修了者は「DX人材」として認定され「デジタル認定証」が発行されます。さらに、DX人材の中から選抜された53名の「DXエキスパート」は、DX推進活動の中心となっています。

DX人材育成プログラムの概要を示した図です。全体の流れは育成対象者選抜、DX人材別育成、育成プログラム評価の3つのフェーズで構成されています。まず育成対象者選抜のフェーズでは、各部門や箇所から対象者を選抜し、スキル調査やアンケートによる人材アセスメントを行ってスキルレベルや課題を把握します。次にDX人材別育成のフェーズでは、育成対象者全員が受講するDXリテラシー研修を土台とし、役割に応じた3つの専門プログラムが実施されます。DX推進者にはDX企画のための基礎知識やビジネスモデル調査と提案ストーリー作成や個人情報保護など、データ活用推進者にはデータサイエンス入門と応用やデジタル社会のセキュリティなど、システム担当者にはシステム開発の基礎やネットワークの基礎などが用意されています。最後に育成プログラム評価のフェーズとして、定期的にプログラムの評価と見直しを行うプロセスが描かれています。

DX人材育成プログラムの概要

DX人材育成の取り組み状況とDXエキスパートの数を示した2つの表です。DX人材育成の取り組み状況を示す表では、第一期(2023年12月から2024年9月)の育成対象者が75名、第二期(2024年12月から2025年9月)が65名、実施中である第三期(2025年12月から2026年9月)が64名と記載されています。DXエキスパートの数を示す表では、第一期の育成対象者から26名、第二期の育成対象者から27名が選抜され、合計53名がDXエキスパートとして選抜されたことが、第一期と第二期の数値からの矢印と数値で具体的に示されています。

DX人材育成の取り組み状況/DXエキスパートの数

DX人材の役割ごとに付与される3種類のデジタル認定証(オープンバッジ)の画像です。左から、DX推進者用の紫色のバッジ(DX Leader)、データ活用推進者用の青色のバッジ(Data Champion)、システム担当者用のオレンジ色のバッジ(System administrator)が並んでいます。

DX人材への「デジタル認定証」の付与

DX人材育成プログラム(第三期)全体スケジュール

DX人材育成プログラムは、1年を1サイクルとして運営しています。育成プログラム第三期では、2025年12月に育成対象者を選抜し、2026年8月まで基礎編・応用編の研修を実施しました。理解度チェックやスキルアセスメントを通じて受講者の習熟度を確認のうえ、育成プログラムの見直しを行います。2026年12月には新たに育成対象者、DXエキスパートを選抜し、次期プログラムを実施予定です。DXエキスパートは、「DX連絡会」への参加などを通じて、部門·箇所のDX推進活動を牽引します。

DX人材育成プログラム第三期全体のタイムラインとプロセスを示したスケジュール図です。上段のDX人材領域では、2025年11月末の選抜後、2025年12月から2026年4月までの基礎編と並行して理解度チェックやスキルアセスメントを行い、2026年4月から8月までの応用編へと進みます。希望者には学び放題eラーニングが提供され、2026年度第2四半期に再度、理解度チェックとスキルアセスメントを行い受講前後の理解度確認をし、次期に向けた選抜を経て、第四期以降も継続的にプログラムが実施されます。下段のDXエキスパート領域では、第二期プログラム終了者から選抜されたメンバーが年4回開催のDX連絡会に参加しつつ、部門や箇所のDX推進活動や各種研修(企画立案研修、実践編研修、学び放題eラーニング)に取り組み、継続的に育成プログラムへ参加する流れが描かれています。

DX人材育成プログラム(第三期)全体スケジュール

DXの推進

技術の導入が必要な場合や難度の非常に高い案件は、情報システム部が主体となって取り組んでいます。また、複数部門の横断やシステムをまたいだ連携などが求められる案件は、各部門に対して情報システム部が支援して、DXを推進しています。

業務効率改善の状況
テーマ 課題 DXによる取り組み 進捗状況
品質管理業務の効率化 検査スケジューリングが担当者の判断に依存し、属人化、効率面で課題あり クラウド型業務基盤を活用した
検査スケジューリングシステムを構築し、
業務の標準化と効率化を推進
2026年10月の導入に向けて開発中
請求書発行業務の効率化 手作業が多く業務負荷が大きい 請求書の発行をデジタル化 部門ごとに移行済み
基幹システムにおけるマスタ申請・登録の効率化 手作業が多い、調整負荷が高い マスタ申請・登録業務の効率化およびユーザー部門の利便性向上
2026年11月の導入に向けて開発中
経営・業務データ活用の
高度化
基幹システムデータの有効活用 ETLツールとBIツールの組み合わせによる
データ活用
特定工場での運用開始および全社展開に向けたデータ公開環境の構築中
管理会計における集計作業の効率化、
データベース
経営管理システムの導入を検討 プロジェクトチームによる導入検討
文書の効率的な検索 社内文書が分散管理され、必要な情報の検索・活用に時間を要している 文書検索ツールの導入による
検索性の向上
文書検索ツールのトライアルを実施するとともに、既存検索手段の導線見直し・拡充を検討中
全社業務基盤活用による
生産性向上
申請・承認業務において、
紙を前提とした手続きが多い
業務負荷の軽減および効率向上を目的として、申請・承認業務のワークフロー化 全社横断および部門内業務を対象に
ワークフローの整備を進め、
累計150フローが稼働中
顧客情報管理 顧客情報や営業活動データの分散 顧客情報管理基盤(CRM)の導入による
一元管理
段階的に導入・活用を進めており、
各部門の業務に適した形での定着を図る


DX連絡会

情報システム部が事務局となり、DXエキスパートを中心に「DX連絡会」を年に4回開催しています。2025年度は、全社的なDX施策の取り組み状況の把握や、DXエキスパート同士の情報交換、ノウハウ共有などを実施しました。また、全社への情報発信基盤として「DXポータル」を開設し、DXエキスパートが合同で参加する「企画立案研修」の成果や、LS愛知工場のスマートファクトリー化に向けた活動の進捗を発信しました。
さらに、各部門・箇所におけるDXの取り組みも発信し、動画作成ツールの活用事例、大師工場における受注業務の効率化事例などを紹介しました。

DX連絡会の組織的な役割と情報の流れを示した図です。一番下の層では、全国の各事業部や工場や部門などの現場箇所からDXエキスパートを選抜します。中央の層では、選抜されたDXエキスパートが集まるDX連絡会が形成され、DX推進の実務に関する情報交換やノウハウ共有、業務やデジタル技術に関する知見の集約を行い、全社DXの活性化や効率的な推進を図ります。一番上の層では、情報システム部が事務局となってDXの推進と統括を行い、全体方針の周知やベクトル合わせ、個別案件のサポート、各現場のDXニーズや課題および取り組み状況の把握を行う上下の連携体制が矢印で示されています。

DX連絡会

データ利活用環境の整備

データ利活用によるイノベーションや生産性の向上を実現するため、その基盤となる環境を整備します。また、インフラ整備だけでなく、ルールや組織といったデータマネジメント体制の整備も視野に入れています。これらの環境や体制を整え、製造プロセスの最適化、不良率の改善、在庫の最適化、生産計画の自動化、省エネルギー化、R&D業務の効率化、知財活用の推進、予防保全の強化、労働安全衛生の推進、スキルの可視化ならびにノウハウの継承などを推進します。

データ活用環境の将来像を示した構造図です。下部では、各種事業部や工場で稼働する基幹システムや顧客管理システム、紙や暗黙知からデジタル化されたデータが表現されています。これらのデータは、データの所在や責任の明確化、アクセス制限に基づくデータ利用といったルールのもとで一元化され、組織横断的に中央上の全社データ利活用環境へと統合されます。統合されたデータは各種グラフや分析ツールによって可視化され、個別分析の高度化、新技術や新製品開発の迅速化といったイノベーションの創出、組織横断による経営管理の高度化へとつながる全体像が矢印で示されています。

データ活用環境の将来像


生成AI活用戦略

2025年度は社内での生成AI活用の浸透が進み、月次アクティブユーザーは8割以上に到達しました。従業員一人ひとりが自身の業務に取り入れたことで、STEP1の個人活用(日常業務の効率化)が定着してきました。また、推進を担う「生成AI活用推進連絡会」を2025年度は4回開催しました。本連絡会は、生成AIの導入検討時に設置され、全社導入後は生成AIの活用状況やノウハウを共有する場として機能しています。主な活動として、「生成AIの利用ガイドライン」の改正内容やユースケース創出プログラムの活動を紹介しました。こうした取り組みを踏まえ、今後は2028中期経営計画の期間内で、STEP2の業務改善(業務フロー組み込み)の達成およびSTEP3の業務変革(社内データ活用)の準備を推進していきます。

生成AI活用における今後の展望を3つのステップと実施事項で示した図です。ステップ1は対話型生成AIを用いた個人活用による日常業務の効率化で、全社員を対象にメール作成や要約や翻訳やアイデア出しなどに活用。現在は定着と拡大のフェーズです。ステップ2はAIエージェントを用いた業務改善で、全部署を対象に特定業務フローへのAI組み込みやプロセス見直しを行い、2028中期経営計画までの達成を目指します。ステップ3は独自AI環境を用いた業務変革で、全社や経営を対象に社内データに基づいた経営判断指標として活用し、2028中期経営計画期間内での準備を進めます。下部には実施事項として、AIエージェントの開発推進、独自AI環境の導入検討が各ステップに対応して記載されています。

生成AI活用における今後の展望