油脂コーティングによって、様々な効果を付与することが可能です。
素材を外部環境から保護する | |
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素材を閉じ込める | |
素材をゆっくり溶かす |
油脂コーティングにより、吸湿を防ぎ、流動性を維持します。吸湿が激しく、ハンドリング性の悪い素材への応用が可能です。
【例】キシロオリゴ糖の吸湿抑制
油脂コーティングによりメイラード反応を抑制し、褐変反応を遅らせることが出来ます。色の変化に気を遣うことなく処方を組むことが可能です。
【例】ローヤルゼリーの褐変遅延
油脂コーティングにより、素材をコーティングすることで、素材同士の接触による反応を抑制します。
ビタミンCとコラーゲンの接触により起こる褐変反応、重曹と有機酸の接触により起こる発泡反応などの抑制が可能です。
【例】ビタミンCとコラーゲンの反応抑制
【例】重曹とクエン酸の反応抑制
油脂コーティングにより、機能性素材の打錠性が向上します。
打錠性の向上により、成分の高含有化が可能となり、原末使用時と比べて、1日に摂取が必要な粒数を減らしたり、粒を小さく設計することが出来ます。
飲みやすく、摂取するのが苦にならない粒作りが可能です。
【例】L-カルニチンL-酒石酸塩の打錠性向上
油脂コーティングにより、ビタミンをはじめとした、有効成分の減耗を防ぐことが可能です。減耗を考慮した増し仕込みや、成分の幅表示が不要になるなどのメリットがあります。
【例】マルチビタミン&ミネラル粒におけるビタミンB12・ビタミンD3ビタミンの減耗抑制
初期値 | 加速4ヶ月(常温2年相当) | ||
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原末 | マルチコーティング品 | ||
ビタミンB12 | 2μg (100%) |
1.04μg (52%) |
1.7μg (85%) |
ビタミンD3 | 5μg (100%) |
2.55μg (51%) |
4.1μg (82%) |
※加速試験条件:40℃ 湿度75% アルミ袋保存時
マルチコーティングにより、打錠圧、酸による有効成分の減少を防ぎます。
例えば、ビフィズス菌は、圧力に非常に弱く、酸のダメージを受けやすいことが知られていますが、打錠圧、胃酸によるダメージを軽減し、腸まで届けることが可能です。
【例】マルチコーティングによるビフィズス菌の耐圧性の向上
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【例】マルチコーティングによるビフィズス菌の耐酸性の向上
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油脂コーティングにより、苦み、辛み、渋みなどのマスキングが可能です。味が原因で採用を見送った成分が、油脂コーティングによって利用できる可能性があります。
油脂コーティングにより、揮発しやすい成分を油脂コーティングによって保持し、おいしさを長持ちさせることが出来ます。
油脂コーティングにより、成分の溶出を遅らせ、目的に応じて溶出のタイミングをコントロールすることが可能です。
ビタミンC 油脂コーティング品 溶出試験データ(in vitro)
ヒト臨床試験でも、ビタミンC油脂コーティング品の徐放性を確認しています。
ビタミンC油脂コーティング品摂取時の血中ビタミンC濃度の変化量(in vivo)