製品情報

安全性について

1) アレルギー性試験(脱顆粒試験)

当社のポリソルベート80の安全性に関わるデータをご紹介します。
 医薬品分野で、特定の医薬品と添加剤の組み合わせにおいて、アレルギーが起きることが報告されています。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系で多くのアレルギーが報告されておりますが、ポリソルベート80についても少なからずアレルギーの報告があります。当社のポリソルベート80について、このアレルギーに関わる性能評価を行いました。
 肥満細胞に、注射グレードの他社のポリソルベート80、当社のポリソルベート80を所定の濃度で添加し、遊離されるヒスタミン量を測定しました。
 下のグラフに示したように、他社のポリソルベート80は、著しくヒスタミン遊離を促進しているのに対し、当社のポリソルベート80はヒスタミン遊離をほとんど促進しませんでした。特定の規格に適合する界面活性剤で、品質の差によって、アレルギー性に相違がある驚くべき事実を明らかにすることができました。
 この安全性が、世界で広く、注射剤をはじめとする医薬品に幅広く検討していただいている証と確信しています。

肥満細胞の脱顆粒に対するポリソルベート80の影響。BL-2H3肥満細胞をポリソルベート80で60分間処理した。脱顆粒は培養液中に放出されたβ-hexosaminidaseの酵素活性を測定することにより求めた。

2) 細胞毒性試験

注射剤に使用されるポリソルベート80一般製品と当社のポリソルベート80を細胞培養系に添加し、細胞毒性を評価しました。当社のポリソルベート80は、同様の分子構造を有する界面活性剤であるにも関わらず、注射剤に使用されている一般製品に比べ顕著に低い細胞毒性を示しました。 高純度がもたらす高度な安全性を確認しました。

ポリソルベート80の細胞毒性に与える影響
SIRC細胞をポリソルベート80で24時間処理し、NRC法により生きている細胞の数を測定した。

3) 溶血性試験

モルモットの赤血球に、所定の濃度のポリソルベート80一般製品、注射剤グレードの他社製品、当社のポリソルベート80を添加し、60分後の溶血性を評価しました。
 この試験結果においても、本質的には同等な分子構造を有する界面活性剤であるにも関わらず、当社のポリソルベート80は、著しく溶血性の低いことが確認されました。 低細胞毒性と合わせ、高い安全性を有するポリソルベートの証しと確信します。
 当社のポリソルベート80は、上記の高安全性に加え、優れた酸化安定性も有しております。製剤設計・製造において必要とされる高安定性と、医薬品として用いられる際に必要とされる高安全性を兼備し、世界標準に相応しい高純度ポリソルベート80です。

溶血性におけるポリソルベート80の効果
モルモットから採血した赤血球をポリソルベート80で60分間処理した。溶血性は壊れた赤血球から出てきたヘモグロビンを576nmの吸光度で測定することにより求めた。

4) 急性毒性試験(マウスの生存率)

前項目までで報告したin vitroでの安全性データに加え、in vivoにおける安全性評価の一つとして急性毒性試験を行いました。
 注射グレードの一般製品ポリソルベート80と、当社のポリソルベート80を所定濃度に生理食塩水で希釈し、所定量をマウスの尾静脈から投与し生存率を評価しました。 今まで報告しましたin vitroでの安全性データ群に加え、このin vivoの試験においても、当社のポリソルベート80は、驚くべき優れた安全性を示しました。
 投与量:75および100mg/マウスの群において、当社のポリソルベート80を投与したマウスは、他社製品投与群に比べて明確に高い生存率を示しました。
 評価項目を絞り込んだin virtoでの安全性試験系に加え、生体が有する様々な解毒・代謝系が機能するin vivoの安全性試験において、当社のポリソルベート80は卓越した安全性を示しました。
 医薬品に関わる安全性とQOLが注目されるなか、当社はポリソルベート80(HX2)を世界標準として提供し社会に貢献します。

マウス(BALB/c)の生存率に及ぼすポリソルベート80の影響。生理的食塩水で希釈したポリソルベート80をマウスに静脈注射を行い、生存率を求めた。

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