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診断薬分野製品
診断薬用添加剤
診断薬用添加剤としてLIPIDURE®-BLシリーズ、LIPIDURE®-SFシリーズおよびアッセイ試薬を展開しています。
LIPIDURE®の機能
診断薬用添加剤用のLIPIDURE®には、診断薬の開発に必要とされるタンパク質の非特異吸着抑制(ブロッキング)効果、タンパク質安定化効果、増感効果があります。
LIPIDURE®-BLの使用例
診断薬用添加剤分野における使用例を示します。
LIPIDURE®-BLシリーズには、親水性、疎水性、イオン性、あるいは水素結合性など様々な側鎖をもつポリマーがあります。
LIPIDURE®- | 側鎖性状 | ブロッキング効果 | 安定化効果 | 増感効果 | 再現性・精度向上 | 可溶化 |
---|---|---|---|---|---|---|
BL100シリーズ | 親水 | ○ | ◎ | ◎ | ||
BL200シリーズ | 疎水 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
BL400シリーズ | アニオン | ◎ | ○ | |||
BL500シリーズ | カチオン | ○ | ||||
BL700シリーズ | 水素結合 | ○ | ||||
BL800シリーズ | 親水・疎水 | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | |
BL1000シリーズ | 疎水 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
BL1200シリーズ | 疎水 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
BL1300シリーズ | 疎水 | ○ | ○ | ○ | ○ |
インデックス
- LIPIDURE®の基本性能
- -ブロッキング効果
- -タンパク質安定化効果
- -増感効果
- LIPIDURE®を用いたアプリケーション例
- -ラテックス凝集
- -イムノクロマト
- -ELISA / CLEIA
製品一覧
高分子LIPIDURE®-BLシリーズ
品名 | 特徴 | 形態 |
---|---|---|
LIPIDURE®-BL103 | 親水性側鎖 | 5 wt%水溶液 |
LIPIDURE®-BL203 | 疎水性側鎖 | 5 wt%水溶液 |
LIPIDURE®-BL206 | 疎水性側鎖 | 5 wt%水溶液 |
LIPIDURE®-BL405 | アニオン性側鎖 | 5 wt%水溶液 |
LIPIDURE®-BL502 | カチオン性側鎖 | 5 wt%水溶液 |
LIPIDURE®-BL702 | 水素結合性側鎖 | 5 wt%水溶液 |
LIPIDURE®-BL802 | 疎水性/水素結合性側鎖 | 5 wt%水溶液 |
LIPIDURE®-BL1002 | 疎水性側鎖 | 5 wt%水溶液 |
LIPIDURE®-BL1201 | 疎水性側鎖 | 5 wt%水溶液 |
LIPIDURE®-BL1301 | 疎水性側鎖 | 5 wt%水溶液 |
両性界面活性剤タイプLIPIDURE®-SF08
LIPIDURE®-SF08は、低分子の診断薬用添加剤です。
品名 | CMC [wt%] | 容量 |
---|---|---|
LIPIDURE®-SF08 | 0.1 | 5 wt%水溶液 |
アッセイ試薬
アッセイ試薬は、LIPIDURE®-BLに糖、塩等を加えた試薬です。
品名 | 容量 |
---|---|
ブロッキング試薬N101 | 500 mL |
ブロッキング試薬N102 | 500 mL |
安定化試薬H100 | 100 mL |
LIPIDURE®の基本性能
ブロッキング効果
LIPIDURE®-BLは、生体分子の非特異的な吸着を抑制することができます。当社ではプラスチック、金属、その他様々な材料表面を処理することが可能な製品群を提供しています。
LIPIDURE®-BLシリーズは完全合成高分子であるため、バイオハザードの心配もなく、ロット間差が少ないことが特長であり診断薬に最適なブロッキング剤です。
例1 マイクロプレートのブロッキング
マイクロプレートをLIPIDURE®で処理し、酵素標識抗体の非特異吸着量を評価しました。
その結果、酵素標識抗体の非特異的吸着量が著しく減少し、優れたブロッキング効果が得られました。
<試験方法>
- 96-wellプレートにPBSで10倍希釈したLIPIDURE®を200μL添加。
- アスピレートし、1晩乾燥。
- 24,000倍希釈HRP-IgG 100μLを添加。
- 室温下1時間静置し、PBS-Tで洗浄。
- TMB発色基質(KLP)を加え、HRP-IgGの非特異吸着量を評価。
例2 磁性微粒子のブロッキング
磁性微粒子を LIPIDURE®で処理し、酵素標識抗体の非特異吸着量を評価しました。
その結果、酵素標識抗体の非特異的吸着量が著しく減少し、優れたブロッキング効果が得られました。
<試験方法>
- 170μg/mL磁性微粒子溶液に、TBSで5倍希釈したLIPIDURE®を等量添加。
- 室温下1時間インキュベートし、TBSで洗浄。
- AP-IgGを10ng添加。
- 室温下1時間インキュベートし、TBS-Tで洗浄。
- 化学発光基質を加えAP-IgGの非特異吸着量を評価。
例3 磁性微粒子のブロッキング(抗体希釈液)
LIPIDURE®は、サンプル希釈時に添加する場合においてもブロッキング効果が得られます。LIPIDURE®を酵素標識抗体の希釈液に添加し、磁性微粒子への非特異吸着量を評価しました。
その結果、酵素標識抗体の非特吸着量が著しく減少し、優れたブロッキング効果が得られました。
※抗体力価に影響を与えません。
<試験方法>
- 100ng/mL AP-IgG希釈液にLIPIDURE®を0.1倍量添加。
- 8.6μgの磁性微粒子に上記のAP-IgG希釈液を100μL添加。
- 室温下1時間インキュベートし、TBS-Tで洗浄。
- 化学発光基質を加えAP-IgGの非特異吸着量を評価。
タンパク質安定化効果
LIPIDURE®は、タンパク質を安定化させることができます。これは、LIPIDURE®とタンパク質の相互作用によりネイティブ構造を維持するためと考えられます。
例1 抗体の安定化(固相)
1次抗体固定化マイクロプレートの表面を LIPIDURE®で処理すると、ブロッキング効果に加え、抗体の安定性が向上します。
1次抗体を固定化したマイクロプレート表面を LIPIDURE®で処理し、25℃に保存した後、残存抗体力価をELISA (サンドイッチ法)で評価しました。
LIPIDURE®を用いることにより、ブロッキング効果が得られ、加えて抗体の安定性が向上し、15日間以上100%の抗体力価を維持しました。
<試験方法>
- マイクロプレートに抗Mouse IgG抗体を添加。
- 室温下1時間インキュベートし、PBSで洗浄。
- PBSで10倍希釈したLIPIDURE®を200μL添加。
- 室温下1時間インキュベートし、PBSで洗浄。
- デシケーター中、25℃でプレートを保存。
- Mouse IgGを添加。
- 室温下1時間インキュベートし、PBS-Tで洗浄。
- HRP標識抗Mouse IgG抗体を添加。
- 室温下1時間インキュベートし、PBS-Tで洗浄。
- 発色基質(TMB)を加え、1次抗体の抗体力価を測定。
例2 抗体の安定化(液相)
LIPIDURE®-SFは、酵素標識抗体の希釈液に添加する場合においても安定化効果が得られます。
酵素標識抗体の希釈液にLIPIDURE®-SF を添加し、4℃に保存した後、残存酵素活性を評価しました。
LIPIDURE®-SFを添加することにより酵素標識抗体の安定性が著しく向上し、60日間、100%の酵素活性を維持しました。
※抗体力価に影響を与えません。
<試験方法>
- 酵素標識抗体の10,000倍希釈液にLIPIDURE®-SF08を0.02倍量添加。
- 4℃保存。
- 希釈液をサンプリングし、発色基質(TMB)を加えて残存活性を測定。
増感効果
LIPIDURE®をラテックス凝集、イムノクロマトなどの免疫測定系に用いることにより、増感効果が得られます。これは、ラテックス粒子や金コロイドの分散性向上に寄与するものと考えられます。
例1 ラテックス凝集系における増感効果
ラテックス凝集系にLIPIDURE®を用いることにより、優れた増感効果が得られました。
<試験方法>
例2 イムノクロマトにおける増感効果
イムノクロマト系(金コロイド法)にLIPIDURE®を用いることにより、優れた増感効果が得られました。
<試験方法>
LIPIDURE®を用いたアプリケーション例
LIPIDURE®を用いたアプリケーション例を紹介します。
ラテックス凝集
ラテックス凝集系にLIPIDURE®を用いることにより、優れた増感効果が得られました。
<試験方法>
イムノクロマト
イムノクロマトにLIPIDURE®を用いることにより、優れた増感効果が得られました。
特にLIPIDURE®-BL400シリーズは優れた増感効果を得ることができます。
デング熱ウィルスの検出系
<試験方法>
アデノウィルス検出系
<試験方法>
ELISA / CLEIA
サンドイッチ法による化学発光酵素免疫測定(CLEIA)に、LIPIDURE®を用いることにより優れた増感効果が得られました。
<試験方法>
- マイクロプレートにマウス抗Human IgG抗体を添加。
- 室温下1時間インキュベートし、TBSで洗浄。
- LIPIDURE®(0.1倍量)溶液を添加。
- 室温下1時間インキュベート。
- Human IgGを既知濃度添加。
- 室温下1時間インキュベートし、TBS-Tで洗浄。
- AP標識抗Human IgG抗体を添加。
- 室温下1時間インキュベートし、TBS-Tで洗浄。
- 化学発光基質を加え、Human IgG濃度について検量線を作製。