コンタクトレンズ関連材料

MPCを用いたソフトコンタクトレンズは、高い生体適合性を有しています。このため、米国食品医薬品局（FDA）より、コンタクトレンズ装用時に乾燥による不快感を感じる方でも装用が認められています。
また、LIPIDURE^®は、ソフトコンタクトレンズのパッケージングソリューション（パッキング液）としても用いられ、優れた耐乾燥性、防汚性、菌付着防止性が得られます。

LIPIDURE^®をパッキング液に用いたソフトコンタクトレンズの耐乾燥性
LIPIDURE^®配合により、ソフトコンタクトレンズの乾燥による変形を抑制します。

円形リングの上にソフトコンタクトレンズを載せた際の形状変化の様子。0分後、5分後ではLIPIDURE^®の有無で形状変化に大きな差は見られない。LIPIDURE^®無配合品は15分後以降で大きく変形しているが、LIPIDURE^®配合品では15分後から変形し始め、20分後で変形しています。

LIPIDURE^®をパッキング液に用いたソフトコンタクトレンズの防汚性（脂質汚れ）
LIPIDURE^®配合により、ソフトコンタクトレンズへの脂質付着を抑制します。

LIPIDURE^®をパッキング液に用いたソフトコンタクトレンズの菌付着防止性
LIPIDURE^®配合により、ソフトコンタクトレンズへの菌付着を抑制します。

点眼薬用関連材料

LIPIDURE^®は、親水性が高く、涙液を安定化させる働きがあります。
また、LIPIDURE^®は、点眼薬に配合される防腐剤等の刺激を緩和する効果もあります。

LIPIDURE^®配合点眼薬の涙液安定化効果
LIPIDURE^®配合点眼薬により、涙液層破壊時間（BUT）が上昇し、涙液層を安定化します。

TSAS（涙液安定性を解析する装置）により、BUTを可視化したもの（上図）。
瞬き後の涙液の状態を画像化しており、瞬き後に涙液が早く乾燥する状態は、オレンジ色や黄色となり、また、潤いが続いている状態は、緑色で示されます。

LIPIDURE^®配合点眼薬の安全性
LIPIDURE^®配合点眼薬は、角膜細胞を傷つけにくく、高い安全性を持っています。

三次元角膜細胞モデルの電子顕微鏡(SEM)画像。生理食塩液、LIPIDURE®配合点眼薬は角膜細胞が傷ついていません。
製品Aは角膜細胞表面が荒れた様子を示しており、製品Bは角膜細胞表面が傷つき、細胞が剥離しています。

学会発表、参考文献
櫻井俊輔, 島村佳久, 宮本幸治, 山本宣之, 第58回日本コンタクトレンズ学会総会, 大阪(2015).
小林-安藤亮太, 土田　衛, 猪又　潔, 宮崎　剛, 工藤昌之, 黒澤　尋, 日本コンタクトレンズ学会誌, 52, 265-2269(2010).
高田洋平, 櫻井俊輔, 宮本幸治, 坂元伸行, 宮崎　剛, 山田昌和, あたらしい眼科, 31(3), 409-413(2014).