トップメッセージ

トップメッセージ

バイオから宇宙まで幅広い分野で、人と社会に貢献する新しい価値を創造してまいります。
日油グループは、バイオから宇宙まで幅広い分野で新しい価値を創造し、人と社会に貢献することを経営理念として、「ライフ・ヘルスケア」「電子・情報」「環境・エネルギー」の目指す3分野において独創性のある製品を多角的に展開しております。

 当社グループは、次の飛躍に向け、2020年を起点とする「NOF VISION 2025」を策定いたしました。前半3年間の「2022中期経営計画」をStageⅠ・基盤強化ステージ、後半3年間をStageⅡ・収益拡大ステージとし、成長分野への積極投資の推進や、収益力の強化などの取り組みを推進しております。

いま、気候変動、水資源・食料の不足、人権問題など、さまざまな社会的課題が生じている中、2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け、企業への期待と要請は年々高まりつつあります。特にこの一年は、気候変動への対応・脱炭素社会の実現に向けて、日本を含む世界各国が挑戦的な政策を表明し、企業に対しても温室効果ガス排出量の削減を強く求める動きが加速しました。
また、新型コロナウイルス感染症は一年以上も世界的に拡大が続いております。社会生活や企業活動が大きく制限を受ける中、デジタル化を軸に社会の仕組みが変化し、安全・安心に対する人々の意識も高まっています。

日油グループは、このような社会の変化・ニーズを機敏に捉えて、人と化学の力で新たな価値を創造し、すべてのステークホルダーの皆さまの信頼にお応えし続けることで、安心で豊かな社会の実現に向けて挑戦してまいりたいと存じます。

代表取締役社長 宮道 建臣

トップインタビュー

2020年度の振り返りと2021年度の状況

新型コロナウイルス感染症の影響が継続し、不透明な事業環境が続いています。
 2020年度は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により急速に景気が悪化しましたが、期末にかけて、一部では持ち直しの動きがみられました。今年度は変異型ウイルスのまん延により、再び経済活動の制限が強化されるなど、経済は厳しい状況が続いています。 今後、新型コロナウイルス感染症の影響は継続するものの、各国における経済対策とワクチンの普及により、経済水準や需要の回復が進むと想定しております。一方、米中の対立長期化によるサプライチェーンの不安定化や、原燃料価格の上昇などのリスク要因もあり、事業環境は依然不透明な状況にあります。

2020年度の日油グループの業績は、前年度比較で売上高と営業利益は下回りましたが、経常利益は前年度並みを確保しました。
2020年度の連結売上高は、前年度に比べて減少しました。ライフサイエンスセグメントにおいてはMPC関連製品や医薬用製剤原料の需要増がありましたが、機能化学品および化薬セグメントにおいては、コロナ禍の影響による自動車の減産やインバウンドの消失などによって需要が減少し、売上高は大きく減少しました。連結営業利益は、機能化学品セグメントの減少を、ライフサイエンスセグメントの成長でカバーしたものの前年度の水準に届きませんでした。
 2021年度後半は、多くの分野でコロナ影響の緩和と需要の回復傾向が見込まれており、医薬品原料の需要は継続するものの、MPC関連製品の需要は落ち着くと想定しております。
 2021年度の連結売上高は、需要回復を背景とした機能化学品セグメントの成長を中心に、全体では2020年度を超える水準まで回復すると見込んでおります。連結営業利益は、原燃料価格の上昇の影響を受けるものの、全体では期首予想を目指して施策を展開してまいります。

「NOF VISION 2025」StageⅠ(2022中期経営計画)の進歩状況

2022中期経営計画の達成に向け邁進します。
 「NOF VISION 2025」において基盤強化ステージと位置付けた2022中期経営計画では、成長分野への積極投資や低採算事業の収益基盤強化などを推進しております。多様性が重視され、社会環境の変化が非常に速い今、機能材メーカーである日油グループは、さらに柔軟な発想で多様な素材を生み出すことを求められております。2022中期経営計画における基本方針である「挑戦と協創」に沿って、変化に挑戦し、社内外とのシナジーを追求して新しい価値を創り出してまいります。最終年度の2022年度は、営業利益290億円、営業利益率15%以上、ROA・ROEいずれも10%以上を計画し、2025年のありたい姿に向け、各種施策に取り組んでまいります。

「ライフ・ヘルスケア」「電子・情報」「環境・エネルギー」の 3分野において、新たな価値の提供を目指します。
 豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供として、「事業を通じたイノベーション」「医薬・医療・健康への貢献」「環境配慮型製品による貢献」「スマート社会への貢献」の4つのマテリアリティを特定しています。これを、2022中期経営計画において「成長市場への事業拡大」「新製品・新技術開発の加速」「社内外との連携強化」の3つの重点課題として設定することで、具体的な展開を図っています。
 ライフ・ヘルスケア分野および環境・エネルギー分野においては、新たな需要に対応できる新製品を既に開発しており、市場への展開を進めてまいります。電子・情報分野においては、5Gなどの需要の変化に対応した技術開発に取り組んでまいります。
 2020年度の実績として、ライフ・ヘルスケア分野への高機能・高付加価値製品の売上高は、前年度を100とすると107.8に伸長しました。この分野は、引き続き市場の成長が期待できることから、今後も注力してまいります。

成長分野への積極投資を進めています。
 川崎事業所に約24億円で増設したライフサイエンス製品製造設備は、計画どおり竣工し、本年秋に営業運転を開始します。たんぱく質や抗体などのバイオ医薬品向けに、研究から臨床試験、承認薬まで幅広く獲得している案件の旺盛な需要に対応してまいります。
 成長分野へのその他の投資としては、尼崎工場ならびに川崎事業所に機能化学品製造設備を増設しており、それぞれ計画どおり竣工・営業運転を開始しています。
 2020年度の設備投資総額は84億円で、2021年度は91億円を予定しており、積極投資を継続してまいります。

ライフサイエンスセグメントやコーポレート研究を中心に、研究開発費を増加します。
2020年度は、新規事業開発室を設置するとともに、iCONM(公益財団法人川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンター)に研究開発拠点を開設しました。先端技術研究所で次世代の素材や技術の研究に取り組むとともに、新設した新規事業開発室とiCONM内の研究拠点において、ライフ・ヘルスケア分野の先端医療、再生医療関連で産官学連携でのオープンイノベーションを推進してまいります。
 2021年度はiCONM内の研究拠点を中心として研究テーマの拡大を進め、GMP対応少量設備の導入による試作品ワークの体制構築を図ります。また、MI(マテリアルズ・インフォマティクス)を活用した新素材の探索と新処方の開発に向けて、概念実証を実施しながら導入に向けた取り組みを行ってまいります。

ガバナンスの強化

取締役会は、新体制となりました。
 取締役会の監督機能を一層強化し、機動的な意思決定を可能とすることで経営の効率性を高めるため、本年6月に開催した第98期定時株主総会において、日油は監査等委員会設置会社へ移行いたしました。併せて、取締役会は、社内取締役5名、社外取締役5名うち女性取締役2名の新体制をスタートいたしました。
 新体制においては、社外取締役の比率は50%、女性取締役の比率は20%にそれぞれ高まり、より客観性・公平性の高い経営に努めてまいります。

働きやすい職場作り

一年間の試行期間を経て、在宅勤務を正式な制度としました。
 日油グループは、新型コロナウイルス感染症に対しては、各種の感染防止対策を講じてグループ社員ならびに関係者の皆さまの安全確保に努めております。本年4月より、感染防止対策の一つとして試行していた在宅勤務の仕組みを、正式な制度といたしました。非常事態発生時における事業継続性の確保、社会的要請への対応に加え、柔軟な働き方を可能とすることを目的としております。
 これまで日油グループは、従業員一人ひとりが自らのライフステージに合った柔軟な働き方を選択できる仕組みとして、出産・育児、介護など仕事以外の生活との調和を重視した働き方を支援する制度を整備してまいりました。今回、新たに在宅勤務制度を設けることで、働き方の選択肢を増やすことといたしました。
 今後も日油グループは、従業員全員の最大の力が発揮される仕組みの構築を目指してまいります。

気候変動への対応

カーボンニュートラルに向けたロードマップを作成します。
2020年10月に首相により2050年カーボンニュートラルが宣言され、さらに2021年4月には、2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比46%削減することを目指す旨が表明されました。これを受け、日油グループにおいても、2050年のカーボンニュートラルへの対応について具体的な検討を開始しました。現在、日油グループでは、2030年度のCO2排出量/売上高原単位を2013年度比30%削減する目標を掲げて温室効果ガスの削減の取り組みを継続しておりますが、現行の活動に併行して、2022中期経営計画期間中に主要な施策について大枠を固めてまいります。
 日油グループは、各種化学品を製造して顧客企業様の製品の原料としてお使いいただく「BtoBビジネス」を行う化学メーカーです。排出する温室効果ガスの約9割は「エネルギー」に起因しています。具体的には、プラント機器(撹拌機・ポンプ類・計装機器・冷凍機)の運転・製品や資材の低温貯蔵・照明などの電気(電力)、加熱のための蒸気を作るボイラーの燃料(都市ガス、LPGなど)などのエネルギーです。このため、製造プロセスの低炭素化・脱炭素化を主軸に、温室効果ガスの削減対策に取り組んでまいります。
 太陽光発電や風力発電などの再生可能な電力の使用による脱炭素化は大きな1つの方向であり、日油グループにおいても非電化設備の「電化」の取り組みを進めてまいります。ここで、再生可能な電力が100%調達できる訳ではないこと、電化できない製造プロセスが残る可能性があること、焼却せざるを得ない副生成物が残ることなど、解決すべき外部課題・内部課題は多くあります。脱炭素化のために、低炭素化(トランジション)技術、ネガティブ・エミッション技術を組み合わせて、カーボンニュートラルを目指す必要があり、その実現のためには、外部で開発された技術の積極的な導入も検討していく方針です。
 製品が、そのライフサイクルを通じてカーボンニュートラルであるためには、研究開発の段階からカーボンニュートラルを目指した設計をすることが重要です。原料調達、製造プロセス、販売物流、使用、廃棄にいたるまでの全プロセスにおいて、カーボンニュートラルを意識した仕様・仕組みを構築していくことが不可欠であり、そのために、従来とは一線を画す研究開発が求められていると考えています。

2025年度に向けて
この先、新型コロナウイルス感染症の拡大が収束しても、様変わりした働き方や社会の仕組みは、元に戻ることはなく、さらに変化を遂 げていくものと思われます。「NOF VISION 2025」を推進する中で、次の飛躍に向けて変化に対応した日油グループの仕組みづくりを継続いたします。

 変わりゆく社会の中で、「企業の社会的な責任(CSR)」は、変わることなく重要な課題です。SDGs達成の一翼を担い、持続可能な社会の実現に貢献することは、企業市民としての責務であると同時に、挑戦すべき課題であります。企業として収益の拡大とともに、社会全体の富も大きくしていく発想が大切であり、日油グループは、CSR活動の施策を着実に実施し、持続可能な社会の実現に向けて貢献を続けてまいります。

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