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研究開発

最近の主要開発製品


速硬化環境対応型硬化剤「パーヘキシル®A」


パーヘキシル®Aは、不飽和ポリエステル樹脂の加熱成型用、特にSMCやBMCの成型において、成型サイクルが短縮でき、かつ低VOCの成型物が得られる硬化剤として最適です。
パーオキシエステルの分解反応は次の二つに大きく分けられます。

(1)O−O結合の分解

(2)アルコキシラジカルのβ−開裂

パーヘキシル®AはR=n-プロピルであり、R=メチルに比べて分解温度が低く、かつβ−開裂速度も速いという特徴があるため、パーブチル®Aより分解温度が低くなり、また付加反応性が高いアルキルラジカルが生成します。
パーヘキシル®Aは、不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤として一般的に使用されているパーブチル®Zやパーブチル®Iよりサイクルアップが可能で、更に硬化物の残存スチレン量を低減できる硬化剤です。

構造

● 分子量 160.21
● 理論活性酸素量(%)  9.99

規格
● 外観 透明液体
● 濃度 80〜82%(炭化水素希釈)
● 品質保証期間  30℃以下(室温冷暗所)保管、納入後3ヶ月

包装形態
● 20kg(10kg×2)ポリエチレン缶入りのダンボール箱詰め

一般性状
パーヘキシル®Aの物性(比重、粘度)を表1に示します。

表1 パーヘキシル®Aの物性
温度 (℃) 比重 粘度 (cSt)
10 0.908 2.34
20 0.900 1.86
30 0.891 1.53

半減期および活性化エネルギー

表2 硬化剤の選定半減期と活性化エネルギー
硬化剤 下記の半減期を得るための
分解温度(℃)
活性化エネルギー
(kJ/mol)
頻度因子
(/h)
1分間 10時間
パーブチル®Z 165.0 105.2 147.3 1.51×1019
パーブチル®A 160.8 102.0 147.1 2.15×1019
パーヘキシル®Z 160.2 100.7 144.7 1.15×1019
パーブチル®I 161.2 98.9 137.6 1.44×1018
パーヘキシル®I 156.4 95.1 137.0 1.92×1018
パーヘキシル®A 155.6 98.3 147.6 4.07×1019
クメン中0.1mol/l における熱分解

性能評価

1 硬化特性と硬化物の残存スチレン量
SMC用不飽和ポリエステル樹脂100部に硬化剤を純分で1部添加し、JSRトレーディング(株)製キュラストメーターV型を用いて、上型145℃/下型130℃における硬化特性と所定時間で脱型した硬化物の残存スチレン量を測定した結果を表3に示します。

表3 上型145℃/下型130℃での硬化特性と残存スチレン量
硬化剤 硬化特性 1) 残存スチレン量(%) 2)
0(分) 90(分) 90-T0(分) MH(N·m) 脱型1.5分 脱型2.5分
パーブチル®Z 0.37 2.27 1.90 8.0 3.18 1.82
パーブチル®A 0.28 1.42 1.14 8.4 1.12 0.59
パーヘキシル®Z 0.28 1.47 1.19 8.7 1.50 0.80
パーブチル®I 0.25 1.30 1.05 8.8 1.15 0.66
パーキュアー®HI 3) 0.20 0.99 0.79 9.3 0.80 0.45
パーヘキシル®I 0.15 0.76 0.61 9.7 0.42 0.21
パーヘキシル®A 0.20 0.85 0.65 9.7 0.30 0.12
SMC用不飽和ポリエステル樹脂100部、炭酸カルシウム150部、硬化剤1部(純分)
1)  キュラストメーターによる硬化特性、T0:トルクが発現するまでの時間、T90:MHの90%が得られるまでの時間、MH:最大トルク値
2)  所定時間でキュラストメーターから脱型した試験片の残存スチレン量
3)  硬化剤を1部添加

2 型内流動時間を合わせた場合の特性評価
SMC、BMC等のモールディングコンパウンドは一般に禁止剤が配合され、コンパウンドが硬化せずに金型内を流動できる時間が確保されます。そこで、SMC用不飽和ポリエステル樹脂100部に硬化剤1部と、禁止剤としてPBQ(p-ベンゾキノン)量を調整して添加して、型内流動時間(T0)を合わせた場合での硬化特性と硬化物の残存スチレン量を比較しました。

2-1 SMC成型を想定した硬化特性と残存スチレン量
一般的なSMCの成型温度である上型145℃/下型130℃での硬化特性と硬化物の残存スチレン量を測定した結果を表4及び図1、2に示します。

表4 上型145℃/下型130℃での硬化特性と残存スチレン量
硬化剤 PBQ
(部)
硬化特性 1) 残存スチレン量(%) 2)
0(分) 90(分) 90-T0(分) MH(N·m) 脱型3.5分 脱型5.0分
パーブチル®Z 0.02 1.8 3.7 1.9 6.5 1.23 0.74
パーブチル®I 0.06 1.8 3.4 1.6 6.8 0.55 0.24
パーキュアー®HI 0.09 1.8 3.3 1.5 6.5 0.49 0.19
パーヘキシル®I 0.09 1.8 3.1 1.3 6.5 0.28 0.10
パーヘキシル®A 0.07 1.8 3.1 1.3 6.3 0.23 0.08
SMC用不飽和ポリエステル樹脂100部、炭酸カルシウム150部、硬化剤1部
1)  キュラストメーターによる硬化特性、T0:トルクが発現するまでの時間、T90:MHの90%が得られるまでの時間、MH:最大トルク値
2)  所定時間でキュラストメーターから脱型した試験片の残存スチレン量

図1 上型145℃/下型130℃での硬化時間
図1 上型145℃/下型130℃での硬化時間

図2 上型145℃/下型130℃で硬化させた硬化物の残存スチレン量
図2 上型145℃/下型130℃で硬化させた硬化物の残存スチレン量

型内流動時間の指標となるT0を合わせた場合、SMC用硬化剤として一般に使用されていますパーブチル®Zやパーブチル®Iと比較して、パーヘキシル®AはT90を短縮できることからサイクルアップが可能となり、また成型物の残存スチレン量を著しく低減することができます。

当社のハイサイクル硬化剤であるパーキュアー®HIと同等の型内流動時間となるようにパーヘキシ
®Aと禁止剤の添加量を調整した場合の、硬化特性と硬化物の残存スチレン量に対する脱型時間の影響を評価した結果を表5及び図3に示します。

表5 上型145℃/下型130℃での硬化特性と残存スチレン量
硬化剤 添加量
(部)
PBQ
(部)
硬化特性 1) 残存スチレン量(%) 2)
0
(分)
90
(分)
90-T0
(分)
MH
(N·m)
3.5分 4.0分 4.5分 5.0分
パーキュアー®HI 1.0 0.09 1.8 3.3 1.5 6.3 0.35 0.30 0.21 0.19
パーヘキシル®A 1.0 0.07 1.8 3.2 1.4 6.1 0.23 0.15 0.11 0.08
1.2 0.09 1.8 3.0 1.2 5.2 0.15 0.10 0.06 0.05
SMC用不飽和ポリエステル樹脂100部、炭酸カルシウム150部
1)  キュラストメーターによる硬化特性、T0:トルクが発現するまでの時間、T90:MHの90%が得られるまでの時間、MH:最大トルク値
2)  所定時間でキュラストメーターから脱型した試験片の残存スチレン量

図3 上型145℃/下型130℃で硬化させた硬化物の残存スチレン量に対する脱型時間の影響
図3 上型145℃/下型130℃で硬化させた硬化物の残存スチレン量に対する脱型時間の影響

パーヘキシル®Aを使用することで、5分で脱型した場合にはパーキュアー®HIを用いた場合より残存スチレン量が少なくなることから、VOCが低いレベルで安定した成型品を得ることが出来ます。一方で、パーキュアー®HIを用いた場合と同等の残存スチレン量の成型物を得るのには、パーヘキシル®Aを用いれば脱型時間を20〜30%短縮できることから、生産性を向上できる可能性が示唆されます。

2-2 SMC成型物の裏面を想定した硬化特性と硬化物の残存スチレン量
成型温度が低いSMC成型物の裏面を想定し、上/下型130℃での硬化特性と硬化物の残存スチレン量を測定した結果を表6に示します。

表6 上/下型130℃での硬化特性と残存スチレン量
硬化剤 PBQ (部) 硬化特性 1) 残存スチレン量(%) 2)
脱型5.0分
0(分) 90(分) 90-T0(分) MH(N·m)
パーブチル®Z 0.02 2.4 6.1 3.7 8.4 2.22
パーブチル®I 0.06 2.5 5.2 2.7 8.7 1.28
パーキュアー®HI 0.09 2.5 4.9 2.4 8.6 1.10
パーヘキシル®I 0.09 2.6 4.5 1.9 8.9 0.72
パーヘキシル®A 0.07 2.6 4.6 2.0 9.2 0.77
SMC用不飽和ポリエステル樹脂100部、炭酸カルシウム150部、硬化剤1部
1)  キュラストメーターによる硬化特性、T0:トルクが発現するまでの時間、T90:MHの90%が得られるまでの時間、MH:最大トルク値
2)  所定時間でキュラストメーターから脱型した試験片の残存スチレン量

硬化温度が低い成型物裏面では表面より残存スチレン量が多くなりますが、パーヘキシル®Aはパーブチル®Z、パーブチル®Iやパーキュアー®HIより残存スチレン量を低減できます。

3 ポットライフ
SMC用不飽和ポリエステル樹脂に所定量の硬化剤と禁止剤としてPBQを混合して直径15mmの試験管に入れ、40℃で放置してゲルの発生を目視で観察してポットライフを求めました。

表7 40℃でのポットライフ
硬化剤 PBQ (部) ポットライフ
パーブチル®Z 0.02 60日間ゲルの発生なし
パーブチル®I 0.06 60日間ゲルの発生なし
パーキュアー®HI 0.09 60日間ゲルの発生なし
パーヘキシル®I 0.09 60日間ゲルの発生なし
パーヘキシル®A 0.07 60日間ゲルの発生なし
SMC用不飽和ポリエステル樹脂100部、硬化剤1部

貯蔵安定性

表8 パーヘキシル®Aの濃度変化
貯蔵温度 (℃) 経時 (月)
0 1 2 3 4 5 6
0 80.9 81.0 80.8 80.9 80.7 80.7 80.6
10 80.9 80.7 80.8 80.6 80.5 80.7 80.4
20 80.9 80.7 80.2 80.7 80.2 80.0 80.1
30 80.9 80.7 80.4 80.4 80.3 79.7 79.0
40 80.9 79.5 78.2 77.1

図4 パーヘキシル®Aの濃度変化図4 パーヘキシル®Aの濃度変化

安全性
● 自己反応性  消防式圧力容器試験の破裂確率は、1mm = 100%、9mm = 0%
● 熱分析 発熱開始温度=79℃,発熱量=1314J/g
● 引火点 28℃(セタ密閉式)
● SADT 60℃

貯蔵および取り扱い上の注意事項

貯蔵

  • 室温冷暗所(30℃以下)に貯蔵する。
  • 防爆型電気機器を使用する。
  • 誤飲を避けるために飲食物と一緒に保管しない。
  • 「先入れ先出し」を厳守する。
  • 他の薬品(特に過酸化物を分解する恐れのある酸、アミン類、遷移金属化合物等)と同じ場所に置かない。また、木、紙、布等も避ける。
  • 転倒、転落の防止措置をする。
  • 横置き、逆置き厳禁。

取り扱い

  • 帯電する可能性があるのでアースを取る等の静電気対策をする。
  • 密閉容器中で取り扱う場合には安全弁、破裂板等のガス抜き装置および温度監視装置を取り付ける。
  • 分解を避けるため、使用する機器、設備の材質にはステンレス、グラスライニング、ガラス、ポリエチレン等を用い、鉄、銅合金、鉛、ゴムの使用は避ける。
  • 目、皮膚に触れないように保護眼鏡、保護手袋等を着用する。
  • 火気および高熱発生の恐れのある場所では取り扱わない。
  • アミン類、酸、アルカリ、遷移金属化合物、その他還元性物質等の異物との接触を避ける。
  • 一般薬品と混合する場合は、予め少量試験を行い安全性を確認する。
  • 分解を避けるために一度取り出した過酸化物は元の容器に戻さない。
  • 使用済みの容器はすみやかに水洗いし、キャップを緩めて日光の当たらない場所に保管する。

適用法令
消防法 第5類第2種自己反応性物質(指定数量:100kg)
労働安全衛生法  危険物
船舶安全法 酸化性物質類 有機過酸化物
航空法 有機過酸化物

その他分類
官報公示整理番号  安衛法 登録済(官報未公開)
化審法 登録済(官報未公開、第二種監視化学物質、第三種監視化学物質)
なお、化審法第二種及び第三種監視化学物質は、その製造業者が毎年製造数量の実績等を届出る義務はありますが、製造及びその使用に制限が加えられるなどの支障をきたすことはありません。
CAS No. 18260-97-4
国連分類 クラス5.2(国連番号−未登録)

お問い合わせ先
化成事業部 化成品営業本部
Tel.03-5424-6687
Fax.03-5424-6814

記載内容の取り扱い
記載内容は現時点で入手できた資料、情報、データに基づいて作成していますが、記載のデータや評価、危険性等に関しては、いかなる保証もなすものではありません。また、記載事項は通常の取り扱いを対象としたものですので、特別な取り扱いをする場合には用途、用法に適した安全対策を実施の上、お取り扱い願います。

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